村山 実氏は、住友工高から関大を経て1958年に阪神電鉄に入社し、出向の形で大阪(現阪神タイガース)に入団した闘志むき出しで全身を使った「ザトペック投法」で、二代目「ミスタータイガース」と呼ばれたピッチャーです。
1年目の1959年に18勝を挙げ、防御率1.19でタイトルを獲得し、沢村賞を受賞するも新人王は逃しましたが、翌年以降も活躍を続け、1970年に選手兼任監督として通算200勝、戦後唯一の0点台となる防御率0.98をマークしました。
1972年に現役引退しましたが、通算防御率セ・リーグ記録の2.09で、歴代最多タイ記録で史上3人目の沢村栄治賞3回受賞など、複数の大記録を保持している記録に残る大投手です。
今回は、村山 実の現役時代のフォークの投げ方についてご紹介します。
村山 実のフォークの凄さ
村山 実氏の勝負球はフォークボールで、1試合で多いときには30〜40球は投げたと言われており、投球フォームもオーバースロー、スリークォーター、サイドスローで投げ分け、その3種のフォームから投げるフォークはライバルであった長嶋茂雄氏をはじめ、敵チームの打者を悩ませました。
そのフォークについて江夏 豊氏は、「最盛期だと、フッと浮いて止まったような感じで、そこからストーンと落ちる。それが2、3年経ってくると浮く感じが無くなったんで、シュート回転とスライダー回転のフォークを投げ分けてきた」と岡田彰布との対談で語っており、これは長嶋茂雄氏を打ち取るボールとして磨いていった球種だそうです。
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村山 実のフォークの握り方
村山 実氏のフォークは、今で言うスプリットに近いボールの握りで、人差し指と中指を大きく開いた状態縫い目にかけ、ボールを挟むようにし、親指はボールの下部を支えるようにしてボールを握ります。
そしてスプリットに近しい握りと言われるように、ボールを少し浅く握ることで変化幅が小さく、スピードが早いフォークボールを投げます。
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村山 実のフォークの投げ方
村山 実氏のフォークは、ストレートと同じ強く腕を振りながら手首を固定したまま振り下ろすようなイメージで、人差し指と中指の間から抜くようなイメージでボールをリリースしていきます。
また、リリース直前にはボールがすっぽ抜けないように強く握った状態で、ホームベースを目掛けてボールを投げます。