投手力を上げる10の練習方法

投手力を上げる10の練習方法

投手は、下半身の始動からボールのリリースに至るまで複数のプロセスを行いピッチングを行います。

その為、投手の練習方法は野手の練習方法や内容とは異なり、投手向けの練習がいくつか存在します。

今回は、このコントロールや正しいフォーム作りを行う上で効果的な練習方法について、10つ抜粋してご紹介します。

基礎力を上げる練習方法

ランニング

ランニングをするピッチャー

ピッチャーはつねに全身の力を使い、何イニングもバッターに対して投球しなければいけません。

その為に必要不可欠なのが持久力になります。

この持久力を、もっとも簡単につけることのできる練習が、ゆっくりとしたスピードで長い距離を走るランニングです。

単調な練習なので嫌がる人もいると思いますが、足腰を鍛えることもでき、バランスやリズムを養う効果があるのでピッチャーは取り入れたい練習です。

また、短かい距離を全速力で走る練習は、瞬発力や筋肉を鍛えることができるので、自分の目的に応じてランニングを使い分けて練習をして持久力もつけます。

筋力トレーニング

筋肉を鍛えるのは、力のあるボールを投げることができるようになるだけではなく、ケガや故障を防止する役目もはたすので、ぜひ取り入れたい練習のひとつです。

ピッチャーは筋肉隆々になる必要はありませんが、体の幹となる部分の筋力はやはり鍛えなければなりません。

基本的には、両腕の筋肉を鍛える腕立て伏せ、両ヒザを曲げて行う腹筋運動、力強いボールを投げる基になる背筋運動を行います。

筋力トレーニングをするピッチャー

いずれの場合も鍛える部位に意識を集中してやることが大切で、練習の合間の時間を利用して5分でもいいので両腕を真横に広げて指先を軽く握り、肩から腕を前後にぐるぐる回す練習も効果的な方法です。

遠投

遠投をする投手

通常のキャッチボールから徐々に投げる距離を広げて遠投をします。

この遠投の目的は、正しい体重移動と投球フォームを確認するためですが、力いっぱい投げるのではなく、70~80パーセントの力加減で投げることが重要です。

仮に全力で投げてしまうと、余分なところに力が入り正しい投球フォームを確認することができなくなる為です。

軸足に置いた体重を、踏み出した足ヘスムーズに移動させることを意識しながら遠投を行ないます。

シャドウピッチング

フォームのチェックにもっとも適している練習がシャドーピッチングです。

シャドウピッチングは、大きな鏡の前で、効き腕の手にタオルを巻きつけて、ピッチング動作を何度も繰り返します。

シャドウピッチングを行う投手

ですが、漫然とこの練習をこなしても成果は上がらないので、体重の移動やヒジの使い方など、細かいところまで一つ一つチェックしながらシャドウピッチングを行なうことが重要です。

そして、自分のフォームが固まったらそれを目に焼き付けておき、不調になったときに調子がよかったときのフォームとどこが違うのかを確認するようにもしましょう。

ネットに向かってピッチング

ティーバッティング用のネットを使った練習方法です。

4~5メートル離れた位置からネットに向かってボールを投げます。

ネットに投げ込むピッチャー

その際に気をつけるのは、マウンドからキャッチャーに投げるつもりでネットの先にいるキャッチャーを想像して投げることが重要です。

そして、下半身は全力投球の感覚で体重を移動し、上半身を5割ぐらいの力で行なうことが大切です。

この練習の目的は、フォームを固めることです。そして、下半身主導の体重移動や腕の振り方の感覚をこの練習で身につけましょう。

バッティング ピッチャー

フリーバッティングのピッチャーをします。

この練習の目的は、とにかくコントロールをつけることです。

フリーバッティングは、バッターに打ちやすいボールを投げたり、バッターの要求に応じて投げ分けをする為、どこでボールを離せば低めにいくか、あるいは内角へ投げるにはどうしたらいいかなどを自分で確認しながら投げられるのでいい練習になります。

また、バッターに打たせるのが目的の練習になりますが、逆に打たせてとるコツをおぼえる練習としてとらえてもいいと思います。

この練習では、全力で投げることはないので、体重移動や投球フォームをチェックしながら投げるようにすると、より効果的な練習になります。

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コントロールをつける練習方法

寝た状態でボールを投げる練習

仰向けに寝た状態でボールを上に向かって投げる練習です。

寝転がり上に向かってボールを投げる練習

反復して行うことで、ボールのリリースポイントや手首、ヒジの使い方をおぼえることができます。

上に向かって投げる際、なるべくボールをリリースした位置と同じところにボールが落ちてくるように意識して投げるようにします。

この練習でリリースポイントを安定させ、コントロールをよくするために有効な練習です。

ボールを持たず投球動作を行う

ボールを持たないで、実際に投球するときのステップの幅まで両足を大きく開いたまま、投球動作を行なう練習です。

投球動作を行う選手

踏み出した足のヒザを曲げて上体を前に出し、そこから後ろにいったん上体を引いて動作を行ないます。

この練習では、特に体を大きくしなやかに使うことが大切で、ピッチングにおいての体の使い方、とくに腰と下半身の使い方を身につけるための練習になります。

この練習で、下半身の使い方を覚えることができ長いイニングでも安定したピッチングを行うことができるようになる練習です。

投げ込みでコースに投げ分ける

ホームベースの前に、四角のひもを利用した道具を置きます。

その際、実際にキャッチャーに座ってもらい、サインを出してもらいその球種をヒモの中を通すようにして、投げ込みをします。

ひもはストライクゾーンに設定し、ストライクゾーンをしっかりと意識しながら、コースに応じたボールを離すポイントを体におぼえ込ませる練習です。

バッティング練習でピッチングをする

ピッチングをするピッチャー

実戦形式のバッティング練習のピッチャーをつとめることで、コントロールや実戦の感覚を身につける練習方法です。

この練習で大切なのは、一球一球ていねいに投げ込むことです。

ブルペンではいい投球ができますが、実際にバッターが打席に立つと、コントロールが不安定になったり、変化球の切れ味が悪くなったりするピッチャーがいます。

これは日頃バッターがいない状況での練習が多く、実戦的な練習が足りていないことが多いのも理由です。

この練習で本当の試合を意識し、どのような状況でも安定したコントロールで投げることができるようになる練習です。

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