スピードとコントロールを安定させる投球フォームの基本

ピッチングで大切なことは、速いボールを投げることと、安定したコントロールが必要不可欠です。

いいピッチャーになるには、ボールの緩急やバッターとの駆け引きなどを学ばなければいけませんが、スピードとコントロールがこれらの基礎となります。

今回は、スピードとコントロールを安定させる投球フォームの基本についてご紹介します。

正しい投球フォームとは?

投球動作にムダのない正しいフォームを身につけることが、良いピッチングをするための第一の条件です。

正しい投球フォームとは、下半身で作った力を腰、肩、腕、指先と順に伝えることを身につけて、はじめて威力のあるボールを投げることができ、また故障することなく、ボールを投げ続けることができます。

つまり正しい投球フォームは、各部位の回転運動とスムーズな体重移動によって成り立っています。

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正しい投球フォームのピッチングイメージ

体の回転運動を利用して、下半身で作った力を指先まで効率よく伝えることで、威力のあるボールを投げることができます。

その為にはバランスのいいフォームと、リズムのよさがポイントになります。

ここでは、右ピッチャーの場合で正しい投球フォームのピッチングの流れを4つに分けて説明します。

振りかぶる

まずは、右足のかかとあたりでプレートを踏み、左足を半歩後ろに置きます。

そして、振りかぶってから右足のスパイクの右前のツメをプレートにかけて、腰を回転させながら左足を三塁側へ上げていきます。

ピッチャーズプレートの具体的な立ち位置や、使い方について不安な方は以下で学んでおきましょう。

軸足と逆の足を上げる

右ピッチャーの場合、左足を上げる時体のバランスを保つ為、体重が二塁方向にかからないようにまっすぐに上げます。

そのまま、右足でバランスを保ちながら上げた左足をまっすぐ前へ踏み出し、しっかり着地し、左手は前に伸ばし、右腕をヒジから上げながら、手の甲を上に向けます。

その際、腰をひねりながら足を前方に踏み込んだときに膝が一塁方向を向くと、ボールに十分な力を伝えることができない為、注意します。

軸足と逆の足で踏み込み投げる腕を上げる

ボールを持った手の腕は、徐々にグラブからハンズセパレーションをしていき、足を踏み込んだあとからついてくる感覚でトップの位置まで持ってきます。

その際、上体がキャッチャーと正対したときに、ヒジは両肩を線で結んだ位置よりも必ず上げて振ることも重要なポイントになります。

それよりも位置が下がると、肘を傷める原因になります。

ボールをリリースする

左腕を後ろに引きながら胸を張って体全体を弓形にしならせながらリリースをしていきます。

その際、右肘を手よりも先に体の前に出すように腕を振り、ボールをリリースする瞬間には胸を張り、フォロースルーは右手を左ももの横までくるようにしっかりと腕を振ります。

そして、右足を着地する位置は、左足と平行になるか、それよりも少しホームベース寄りが理想です。

ボールを投げたあと、右足がよく一塁側に流れてしまうピッチャーは、ボールにすべての力を伝えきれていないフォームになっている証拠なので、注意が必要です。

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投球フォームの課題別の直し方

正しいフォームで投げることで、スピードやコントロールが安定しますが、1つでも体重移動や、体の運び方が異なる場合は、投げたボールに課題として顕著に出てきます。

ここではピッチングで出てきた症状をそれぞれみながら、正しいフォームをイメージしましょう。

ボールに伸びがない

ボールに伸びがないのは、ボールに力を伝えきれていないため、キャッチャーミットに届くまでにボールが失速してしまっています。

いろいろな原因が考えられますが、最初にチェックしたいのは投球フォームがバラバラになっていないかどうかです。

正しい投球フォームは、よいバランス、腕の振り、スムーズな体重移動、フォロースルーにムダがないことなどが条件で、足→腰→肩→肘→手首→指先と、下半身主導で順序よく体重を移動し、体でたくわえた力をしっかりボールに伝えることができなければ、よいボールを投げることはできません。

まずはシャドーピッチングで、自分の投球フォームを確認して、どこが悪いかを知るにことが大切です。

コントロールが安定しない

コントロールが不安定になってしまう大きな要因は、ボールを離す位置がバラバラになっているのが原因です。

その多くは、正しい腕の振り方ができていないケースに見られ、コントロールを安定させる為に大事なのは、肩に力を入れずに肘から先に出すようにして腕を振ることです。

肘から先に出す振り方をすることで、腕はムチがしなるような動きとなり、またいつでも同じ軌道を通って腕が振り出されるので、リリースポイントさえ調整すればコントロールはおのずと良くなり安定します。

チェックするには、近い距離で目標を定めて速いボールを投げてみると良くわかります。

肘から先に出ていく振り方ができていれば、この方法でも正しくボールをコントロールできるはずです。

内野手のような肩を使わずに腕の振りを最大限に利用するフォームが、このイメージです。

ボールが軽くて長打を食らう

悪い投球フォームの代表のようにいわれるもののひとつに、体が開いてしまうフォームがあります。

これは左足が着地する前に左肩が一塁側へ向き、流れてしまうような投球フォームのことです。

肩が早く開いてしまう投球フォームには、大きな欠点が二つあります。

ひとつは、上体のバランスが崩れて思ったところにコントロールしにくくなること。

もうひとつは、下半身をひねることでたくわえられたカがボールを投げる前にその力が一塁側に逃げてしまい、投げたボールに威力がなくなることです。

これらの欠点を直すには、左足を踏み込んでいくとき、意識して左肩を三塁側にやや入れて向けるような感覚にしましょう。

このコツさえつかめれば、今よりもボールに力を伝えることができ、ボールの質が大きく変わるので、是非試してみてください。

リリース後体が一塁側に流れる

投球したあとに一塁側に体が流れてしまう右投げのピッチャーがいますが、そうなってしまうのは体でつくった力をボールに100パーセント伝えていないからです。

言い換えれば、力を体に余したまま投球を終えた状態のフォームになっているともいえます。

一塁側に流れてしまう原因として考えられるのは、踏み込んだときに左足のヒザが早く開き一塁側に向いていることです。

正しい投球フォームでは、腰を軸に回転して投げ終わったあと、キャッチャーに体が正対するように右足が着地します。

ですが、左足のヒザが早く開いてしまうと、左足を軸に回転するような形になります。

このようなフォームでは、左足で体重を支え切れず、ボールに体の力をすべて伝え切れないまま、右足に力が残り、体が一塁方向に流れて着地する形になってしまいます。

ストレートに威力がない

威力のあるストレートを投げることは、ピッチャーにとって憧れです。

ですが、勘違いしてはいけないのは、思いっきり投げなければ威力のあるストレートは投げられないと考えてしまうことです。

力いっぱい投げようとするあまり、余分な力が入ることで投球フォームがぎこちなくなり、正しく体重を移動することができなくなります。

ボールをリリースする瞬間までは、体のどこにも余分な力を入れずに、踏み出した足に体重をうまく乗せることができないとボールは威力があるどころか、ただの棒球になってしまいます。

とくにストレートがシュート回転するようであれば、正しい体重移動ができていない証拠なのでチェックしてみましょう。

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