キャッチャーはよく「女房役」と形容されます。
キャッチャーの役割は、 「ピッチャーを精神面でも技術面でもサポートして、 最高のパフォーマンスを引き出せる環境を作り、 最終的にチームを勝利へ導く」ことだと思います。
また、「フィールドの指揮官」と形容されることもあります。
確かにキャッチャーは、9人のフィールドプレーヤーの中で、唯一ファウルグラウンドにいて、皆とも反対側を向いており、当然見えるものは真逆で、バッターを最も近くで観察もできます。
それに、フィールド全体を見渡すことができるので、守備位置はもちろんのこと、ランナーの動き、 ランナーズ·コーチの動きも把握することができます。
それだけ広い視野が持てるというのはキャッチャーの特権だし、てれを充分に生かせばチームを勝利へ導く戦略を引き出せるかも知れません。
キャッチャーだけが知り得る微妙な変化や情報を イーム全体で共有することは重要で、そういった意味でキャッチャーは、「フィールドの指揮官」としての役割を、しっかりこなさなければならないという重要な任務を背負っています。
今回はキャッチャーの基本になる捕球についてご紹介します。
キャッチャーミットの構え
キャッチャーミットの捕球面をしっかりピッチャーに向け、人差し指は12時の方向に立てて構え、車のワイバーのように扇状にミットを動かして使う方法がありますが、近代の野球では、人差し指を2時の方向にして、少し横に寝かせて構える方をよく見ます。
真ん中低めのボールが来たとします。
キャッチャーミットを前者の立てて構えている場合、 捕りに行くと必然的にミットを上から被せるような形になってしまいます。
これは、虫取りと言って悪い見本とされています。
なぜこの捕り方がいけないかというと、捕球の際にキャッチャーミットが下向きになってしまい、それを元に戻すことになるので、見た目が汚くなってしまいます。
ビッチャーにとって、真ん中低めや、 外角の低めのボールは決め所です。
この際どいコースをいかにきれいにしっかりと捕球できるかは、ピッチャーを気持ち良くさせる意味で重要です。
こういうところでミットが上下に動いたり、 外側に流れてしまっては、せっかくの良いボールが報われません。
一方、キャッチャーミットを少し横に寝かせて構えると、若干左の脇がひらき気味になりますが、この体勢だとミットをスムーズに動かせる範囲が広がり、低めのボールに対して、さらに低いところから、 手首の回転とともに捕球することができます。
これだと真ん中低めのボールでもミットは激しく動くことはありません。
しかし、例外があり、左ピッチャーの場合、右バッターのインサイド膝もとに、スライダーなどの変化球で勝負する際、このようなケースに限っては、脇を閉めて、キャッチャーミットを立てて構える方が実は捕球しやすくなります。
通常の捕球位置より左側でワンバウンドする確率が高いので、 そのケアをしなければならない為です。
ただ、気をつけないといけないのは、最初からこの構えをしていると相手にバレてしまうことです。
あくまでも、ピッチャーの指先から球が離れてからのことだというのは忘れないようにしましょう。
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外角球の捕球のコツ
ストライクゾーンギリギリの外角球を捕球する際は、捕球するであろう場所のちょっと外側にミットを先回りさせ、その場所に戻しながら捕ると、ビタッと止めることができます。
逆にボールを、外側の方向に捕りにいってしまうと、ボールの威力でキャッチャーミットがわずかだがブレます。
ストライク、ボールの判定にはあまり関係ありませんが、この小さなブレをピッチャーは嫌がるので、「戻しながら捕る」という癖をつけると、きれいな捕球ができるようになります。
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左膝を地面につけて構えるメリット
ランナーがいないときは、左膝を地面につけて構えてみましょう。
この方が、左手の肘が右バッターの内側方向へ通りやすくなり、捕球範囲も広がる為です。
ちなみに、ランナーがいない時は自分の捕球範囲から出たボール球については無理して捕ることはありません。
ランナーがいないのに無理にワンバウンドを捕りに行き、つき指などケガでもしたら元も子もありません。
右バッターのインサイドについては、できるだけミットを左側に反転させないようにしましょう。
反転してしまった時点で、ストライクでなくなってしまうので注意が必要です。
そして、よくキャッチャーミットを前に押し出して捕球する人を見かけますが、キャッチャーミットが上から被ってしまうのを避ける為注意しましょう。
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片手で捕球
がっちり捕る、あるいはしっかり捕るということが、キャッチャーにとって大事なのは言うまでもありません。
そしてその方法として、両手で捕るということが効果的であるということは理に適っていますが、両手でキャッチングするのは、キャッチャーミットの可動範囲を狭くするデメリットがあるということも理解しなくてはなりません。
実際、ボールが目の前ばかりに来ればいいのですが、試合ではそうはいきません。
高い球、ワンバウンド、横に逸れる球などいろいろあり、それらを両手で捕るという意識が強いと、対応が遅れてしまう為です。
そして片手でキャッチングすることの意味にもうひとつ理由があります。
それはケガを防ぐためです。
キャッチャーは右手のケガと常に隣り合わせで、ワンバウンドやファールチップが体に当たることは日常茶飯事です。
あまり考えたくないことですが、これらが指先に当たると、骨折を始め、大ケガをしてしまう可能性があり盗塁のシチュエーション以外では、右手は太ももの後ろに隠し、なるべくすべて左手で捕れるようにしておくべきです。
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キャッチャーのワンバウンドの止め方
キャッチャーのの技術で重要な一つにワンバウンド捕球があります。
ここでの目的は、ピッチャーが投じたワンバウンドのボールを捕ることより、前に落としてランナーの進塁を防ぐということがメインです。
基本は足を閉じて、両腕でブロックする形が良いでしょう。
具体的には、体の中心から左右に45度の線を引き、その線上でボールをブロックします。
この以外にも、キャッチャーから真横のラインを引いて、その線上で止める方法があります。
この真横の線上で止めるメリットはわずかながらだが、止められる範囲が広いという点ですが、そのわずかな広さのメリットではなくデメリットの 止めはしたが、ボールが横に飛んでしまう可能性があるので、ボールを前に落とすことを優先するため、 体の中心から左右に45度の線を引き、その線上でボールをブロックする方法がおススメです 。
斜めの線上で止めるということは、体が前に出ることなので、ボールは体にぶつかってもほとんどが前に落ちます。
ワンバウンドだと思ったら、体を前へ出し横から見てくの字の体勢をつくれるように癖をつけましょう。
体が斜め前に出ると、真横に動くのと比べて、ボールを前に落とす確率は上がる上に、ボールとのコンタクトが俄然速くなり、進塁を防ぐことができます。
さらに、ワンバウンドをブロックして止めるのではなく、ある程度のリスクを背負ってでも捕れると判断新した場合は捕る、という選択肢もあります。
ワンバウンドのボールが来たとき、一塁ランナーの多くは進塁できるのではないかという心理が働きます。
その結果、ランナーは飛び出しますが、それはキャッチャーにとっては、ある意味チャンスで、ショートバウンドでボールを捕り、牽制で刺せる可能性が出てくる為です。
サインを出した時点で、ショートバウンドになりそうなボールというのはある程度わかります。
そういう場合、ショートバウンドになるかもしれないという心の準備をしておくかどうかだけで、ショートバウンドへの対応力は全然違ってきます。
低いボール、落ちるボールを要求したときは、ショートバウンドになることを想定しておきましょう。
このように、ピッチャーが投げるボールは、悪いときにはどこにいくかわからりません。
しかしショートバウンドや、いわゆる荒れ球を上手く捕ることができれば、当然ピッチャーや、チームメイトからの信頼は上がります。