西村憲と城島健司の無死満塁のピンチを0点に抑える配球

西村憲と城島健司の無死満塁のピンチを0点に抑える配球

満塁は1ヒットで大量得点になるピンチですが、凌ぐ事が出来れば試合の流れを一気に呼び寄せ、次の攻撃に勢いが付きます。

日本ハム対阪神で満塁の場面

今回ケースも、このピンチを無失点で切り抜けた後、その後の攻撃で追加点を加え、勢いそのままに阪神タイガースは勝利しています。

満塁でのピンチをしのぐ守備力ももちろん大切ですが、それ以上にピッチャーの投球術が大切になる場面です。

今回は、西村憲選手と城島健司選手の無死満塁のピンチを0点に抑える配球についてご紹介します。

2010年の西村憲選手と城島健司選手

西村憲選手は、ストレートと縦のスライダーを軸に、フォーク・カーブ・シュートを投げるピッチャーです。

阪神タイガースに在籍し、右肘を痛める前年の2010年には最速149km/hのストレートとマウンド度胸の強さを武器に、投球イニング数とほぼ同数の三振を奪いこのシーズンは7勝3負14Hの好成績を残しました。

西村憲選手のマウンドでサインに首を振る

同年、城島健司選手はMLBのマリナーズから阪神タイガースへ移籍した年で、全試合で活躍しゴールデングラブ賞を受賞し、捕手として史上初のセ・パ両リーグでの受賞となった年です。

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2010年5月1日の巨人対阪神戦での配球

7対2で迎えた6回、先発投手のスタンリッジ選手が連打を浴びて7対4の3点差となり、無死満塁の大ピンチの場面から西村憲選手と城島健司選手のバッテリーが1番坂本選手をセカンドフライ。2番脇谷選手と3番小笠原選手を連続の三振で仕留めて、追加点を許さなかった場面の配球です。

西村憲選手と城島健司選手のバッテリーの話し合い
写真:パニックソニック より

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1番坂本勇人選手への配球

この年の坂本勇人選手は、主に1番打者として全試合フルイニング出場を達成し、打率は.281と.306の前年より下がったものの、本塁打が18本から大幅に増加し巨人の遊撃手で最多となる31本塁打を放ちました。

坂本勇人選手の打席に入る姿

1番坂本勇人選手への配球のイラスト
1球目真ん中低めのスライダーで空振り
2球目インコース高めのストレートを空振り
3球目アウトコースへのスライダーでボール
4球目アウトコースのストレートをファール
5球目アウトコースへのスライダー
結果セカンドフライ

2球目はアウトコースからの逆球でもストレートに球威があり空振り。

そして、5球目の外角へのスライダーでセカンドフライでワンアウトをとります。

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2番脇谷亮太選手への配球

脇谷亮太選手は、自己最多の132試合に出場し、初めて規定打席に到達した年で打率.273・7本塁打・43打点の成績を残しながら、一方で5月と9月は打率1割台と好不調の波が大きい年でした。

脇谷亮太選手の打席に入る姿

2番脇谷亮太選手への配球のイラスト
1球目アウトコース低めのスライダー
2球目真ん中へのストレートをファール
3球目アウトコース低めのストレート
結果見逃し三振

2球目は城島選手がアウトコースに構えた位置よりやや内側に入るボールですが、ファールで追い込み3球目はアウトローへの見事なストレートで三振を奪いました。

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3番小笠原道大選手への配球

小笠原道大選手は、この年に3割30本を記録し、巨人への移籍後4年連続の3割30本と、11年連続の出塁率と長打率を足し合わせた値であるOPSの.900以上を達成しました。

小笠原道大選手の打席に入る姿

3番小笠原道大選手への配球のイラスト

1球目真ん中低めのストレートでボール
2球目インコース低めのストレートでボール
3球目アウトコースのストレート
4球目インコースへのスライダー
5球目インコースのストレートをファール
6球目インコースへのスライダー
結果ハーフスイングで空振り三振

この日のストレートはやや逆球が多くありましたが、要所要所でのスライダーと、球威のあるストレートで強打者の小笠原選手も三振に切ってとり、満塁を無失点で凌ぎました。

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