キャッチャーミットには、主にスタンダードタイプとボックスタイプという2つの型付けがありますが、大きな違いはポケットの位置になります。

今回はキャッチャーミットのスタンダードタイプとボックスタイプの型付けの方法と、型の特徴についてご紹介します。
スタンダードタイプのキャッチャーミット
まずはスタンダードタイプのキャッチャーミットについてです。
スタンダードタイプは、人差し指を2時の方向に向けてミットを構えてプレーする、横捕り・引っかけ捕りをするキャッチャー向けの型です。
ポケットの位置が内側にあり、それによりポケットが浅くなるので握り替えが早くなったりと、捕球後のスローイングを重視したいキャッチャー向けのものもあります。
このタイプは、ポケットの位置がやや親指(内側)寄りで、古⽥敦也選⼿や中日ドラゴンズに移籍した大野奨太選手のキャッチャーミットをはじめ、甲子園に出場する高校球児も、こちらのスタンダードタイプが多いと言われています。
また、ボックス型と⽐べ、ポケットが狭くなるのでキャッチング技術が求められます。

上の画像のA〜Bの線を軸に、ミットが開閉するようになり、ミットを閉じた時に板を2枚重ねたような状態になるのがスタンダードタイプの型になります。
どちらかといえば横型キャッチャーミットに適した型です
ポケットの位置
スタンダードタイプのボールを捕球するポケットの位置は、以下の○の部分になります。

キャッチャーミットの真ん中よりも、やや親指寄りの先端に近い部分でボールを捕球するのが、スタンダードタイプで型付けをした時の特徴になります。
古田敦也選手のキャッチャーミットは親指のパーツが長いため、その分、親指寄りにポケットをつくるスペースが確保されていると考えられます。
スタンダードタイプの型付けの方法
スタンダードタイプの型付けのポイントは、イメージとして極力平たくすることなので、⼩指側は折り曲げないようにし、ウェブの部分はミット側に⼊れるようにします。
親指側が柔らかくなってきたら練習で使うようにし、使用していくことで⾃然と内側にポケットができていくようになります。
ポケットの部分は、木槌やパンチャーでポケットにしたい部分の捕球面を叩き、保形バンドを活用して、ミット自体にこの捕球スペースを形状記憶させます。
このスタンダードタイプのミットは、二枚板のようにポケットがペチャンコになりやすい為、しっかりとポケットを作ることが非常に重要です。
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ボックスタイプのキャッチャーミット
次にボックスタイプのキャッチャーミットについてです。
ボックスタイプのキャッチャーミットは、人差し指を12時、または1時の方向に向けてミットを構える、縦捕り・つかみ捕りをするキャッチャー向けの型といえます。
⾕繁元信選⼿や、読売ジャイアンツの⼩林誠司選⼿はこのボックスタイプを使っています。
特徴としては、ポケットの位置がやや深く・広くなるので、捕球を重視したいキャッチャーや、経験が浅いキャッチャー向けでもあります。
また、突き指に悩んでいるキャッチャーは、このボックスタイプの型付けをすることで解消されることが多くあります。
スタンダードタイプの型は、A〜Bの一本軸でキャッチャーミットが曲がっていたのに対して、ボックスタイプはA〜Bの線と、C〜Dの二本の線を軸にして、キャッチャーミットが折れ曲がる型になります。

ポケットの位置
ボックスタイプのポケットの位置は、親指と⼈差し指の間のウエブ下辺りの中央になります。

このように、捕球面のど真ん中に位置するのが、ボックスタイプのポケットの特徴です。
谷繁元信元選手は、このポケット位置で捕球をする達人だったと言われています。
ボックスタイプの型付けの方法
ボックスタイプの型付け⽅法は、親指側と⼩指側の両⽅をしっかりと折り曲げていき、⾯を作って、ウェブ部分は基本的にイジらないようにするのがポイントになります。
スタンダードタイプの方と異なりボックスタイプの型は、型付けの時点でポケットを作るイメージで問題ありませんが、以下の赤い部分のポケットの周辺部分を揉みほぐしましょう。

揉みほぐすことによって、手のひらを曲げやすくする「しわ」のようなものを作り出すことで、指の感覚が伝わりやすくなりミットが非常に使いやすくなります。
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まとめ
スタンダードタイプと、ボックスタイプと、どちらの型がふさわしいかは、選手自身の好みや、その選手が使っているミットの特徴によって変わってきますので、どちらも一長一短があり自分に合った型付けで、大切なミットに仕上げてください。

グラブやミットを柔らかくするオイルもあります。各メーカーから色々な商品が出ていますが、キャッチャーミットでお馴染みのハタケヤマから出ている「SF-1リキッドオイル」です。
スプレータイプで手を汚さずにミットにかけることができ、使い方はミットから15cm程度離れたところからスプレーするだけです。
しかも使った感じベタつきがないのもGOODなポイントなので、ミットの硬い部分を柔らかくしたいときに使ってみてください。