イチローの現役時代のバット

イチローの現役時代のバット

イチローは、バットやグラブを「道具ではない。自分の一部。自分の体の一部」と語るほど、使う野球用品を非常に大切に扱う選手としても有名でした。

過去、オリックス在籍時代にバットを放り投げたことがあり、そのときのことについて、「後ですごく後悔して、それから特に道具に対する気持ちが強くなってますね」とインタビューで答え、打った直後も必ずバットを静かに置くことも特徴でした。

イチロー選手のバッティングフォーム
写真:ベルTV 2nd より

今回は、イチローの現役時代のバットについてご紹介します。

バットの重さとサイズ

イチロー選手のバットは、バットはミズノの篠塚和典モデルをベースにしてプロ2年目にミズノを訪れ、このサイズのバットにして以来、バットに変化を加えませんでした。

  • 長さ:85㎝
  • 重量:880~900g
  • ヘッドの直径:60.5㎜
  • グリップの直径:24㎜
  • 材質:アオダモ or ホワイトアッシュ
  • メーカー:ミズノ

多くのバッターは年齢や経験でバットの形状やバランスを調整しますが、イチロー選手の場合は、現役時代通じて同じバットを使い続けられるように体を鍛え、練習することでずっと技術と体力を維持し、2019年の引退までこの形状を使い続けました。

イチロー選手のバットを作る職人 クラフトマン名和さん
写真:taka2014xx より

また、ミズノでもイチロー選手のバットを作ることが出来るのは、バットマイスターの呼ばれた久保田五十一さんと、その後継者である名和民夫さんのみとされており、久保田五十一さんは「私の記憶の中では、これほど(バットを)変えない方はいらっしゃらないですね」とイチローについて語っていたそうです。

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イチローモデルのバットの特徴

バットの細さ

イチロー選手のバットは他の選手よりも細く作られています。

通常の選手の場合バットの直径は64~65㎜なのに対し、イチロー選手のバットは63㎜で、当たる面積は小さいですが、軽くて操作しやすい特徴です。

パワーのある選手は太いバットを好む傾向にありますが、イチロー選手はバットの細さにこだわり操作性を上げミート率を高くする事を意識しており、一目見てわかるほど、全体的に細身のバットになっています。

バットの重さ

プロ野球選手が使用しているバットの中では標準的な重量ですが、あの松井秀喜選手は、身長186cm、体重110kgという体格で、長さ86.5cm(身長の46.5%)、重さ910g(体重の0.8%)のバットを使用していました。

一方、イチロー選手は、身長180cm、体重80kg弱の体格で、長さ85.0cm(身長の47.2%)、重さ900g(体重の1.3%)のバットを使用していました。

この体重比で見ても、決して軽いバットを使用しているわけでなく、イチロー選手は、長めのバットでうまく球をとらえ、バットの重みで打球を運ぶ、といった感覚で使用していたことが伺い知れるバットです。

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イチローモデルの軟式用バット

ミズノのバットといえば「ビヨンドマックスシリーズ」が有名で、圧倒的な人気を誇るシリーズのバットですが、「打感」への不満が多いのも事実です。

イチローモデルの軟式用バット、ディープインパクトは「硬い打球感」と「弾き感」が特徴です。

打球部を多層構造で厚くし、M号球に打ち負けない質量を打球部に持たせ、更にヘッドに重みを持たせたトップバランス設計で、鋭い打球を放ちます。

  • 材質:軟式用FRP製バット
  • 名前:ディープインパクト(DEEP IMPACT)
  • メーカー名:ミズノ(MIZUNO)
  • メーカー品番:1CJFR00284
  • サイズ:84cm・700g平均
  • トップバランス
  • 直径:Φ69mm
  • 素材:カーボン+グラス+特殊フィルム
  • 専用バットケース

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イチローのバッティングフォーム

練習量が多いことも有名で、オリックス在籍時代にはオフの時期でも必ず2時間は室内練習場を使ってバットを振り、アッパースイングもダウンスイングも。上から叩くスイングもピッチャーのボールによって使い分けることが可能になり、天才的なバットコントロールを実現しています。

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