「緩急をつける」ということは、打者の体感速度を自由自在に操ることで、特に視覚部分における錯覚を使った配球方法といえます。
緩急とは、打者の体感部分における錯覚を利用して配球する方法といえます。
たとえば、車に乗っている時高速道路で100km/h近いスピードで走っていた後に一般道に降り、40km/hで走ると、車がものすごくゆっくり走っているように感じます。
そのまた逆は、周囲の追い越していく車がかなり速く感じるはずで、これと同じことを配球でも活かすことが可能です。
これが緩急で、今回はこの配球についてご紹介します。
ストレートをより早く感じさせる配球
緩急をつける際も「見せ球」をうまく使うとより効果的です。
ストレートを球速以上に速く見せたければ、その前に遅いボールを「見せ球」にすれば効果的ですが、球速の差があまりに大きくても小さくても効果が薄くなります。
緩急を使う際の見せ球は、ストレートの最高球速からマイナス30~35km/hぐらい遅いボールを見せておくのがベストです。
たとえば、ストレートの最速が120km/hの場合、85~90km/hくらいのスローカーブを投げ、その次にストレートを投げれば、120km/hが140km/hくらいに打者は体感します。
スポンサーリンク
変化球をより遅く感じさせる配球
緩い変化球をより遅く見せる方法も基本的にはストレートの場合とほぼ同じです。
緩い変化球の前に、ストレートを思い切り腕を振って投げ込み、次の変化球も腕を同じように思い切り振れば、腕の振りでも錯覚を生み出すことができます。
またこの時は、インコースの身体に近い場所のボール球が有効で、身体に近いボールで視線も動かすことができます。
また、同時に打者の腰を引かせることができれば、なお効果的です。
この状態にできれば、視線がブレているので、緩いボールを目で追いかけた時にさらなるブレが出ます。
このことで、緩いボールがより遅く感じるとともに、正確に投球の軌道を追いかけることが難しくなり、インコースのボールゾーンの速いストレートで腰を引いているので、外の緩いボールには泳いがせることができます。