斉藤 和巳の現役時代のフォークの投げ方

斉藤 和巳の現役時代のフォークの投げ方

斉藤和巳は、通算で150試合に登板し、79勝23敗、0セーブ、0ホールド、846奪三振、防御率3.33と、圧倒的な勝率で「負けないエース」の異名をとったピッチャーです。

南京都高等から1995年ドラフト1位で当時の福岡ダイエーホークスに入団し、2003年には開幕投手を務め、20勝で日本一に貢献しました。

現役時代は常に右肩の故障に悩まされ、2007年が最後の一軍登板になりながら、2011年からはリハビリ担当コーチとして復帰を目指すも、2013年の7月28日に引退表明をしました。

主なタイトルは最優秀防御率2回、最多勝2回、最優秀投手3回、最多奪三振、沢村賞2回を獲得し、初回でもアウト一つを奪うたびに吼えるなど、気持ちを全面に押し出すピッチングも特徴のピッチャーでした。

斉藤 和巳のピッチングフォーム

今回は、斉藤 和巳の現役時代のフォークの投げ方についてご紹介します。

斉藤 和巳のフォークの凄さ

斉藤 和巳がフォークを投げ始めたのは、2年秋からエースを務めた南京都高等学校時代に当時のコーチに教わることで投げ始め、全盛期に決め球として使う高速フォークは、平均球速約139km/h、最速146km/hを誇りフォークでの奪空振り率はリーグ平均を10%近く上回る球種でした。

斉藤 和巳は落差の小さなフォークをしっかりコントロールできるよう習得し各コースへも投げ分け、通算403本塁打を記録した強打者であり、本塁打王に2回輝いた山﨑武司選手は、最高のフォークを投げる投手として斉藤の名を挙げています。

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斉藤 和巳のフォークの握り方

斉藤 和巳のフォークは、習得した高校時代から、プロ入り後を経て記録を打ち立てた全盛期にかけて握りがそれぞれ変わり進化していった球種です。

高校時代のフォークの握り

フォークを投げ始めたときのフォークの握りは、人差し指と中指を最大限に大きく開いた状態で、ボールの真ん中半分の位置を縫い目にかけずに挟み、親指は下を支えるようにしてボールを握ります。

この握りのフォークは、落差がありましたがコントロールが安定しなかったそうです。

斉藤 和巳の高校時代のフォークの握り
写真:斉藤和巳 / KAZUMI SAITOH より

プロ野球入団直後のフォークの握り

プロ入り後間もない頃に、雑誌で変野茂英雄選手のフォークの握りを見て握り方を変えしっかり投げ切れた際には自分でもびっくりするぐらいの落差でしたが、落差が安定せずあまり投げる球種ではなかったそうです。

この時期のフォークの握りは、人差し指と中指を大きく開いた状態でボールを挟み、人差し指のお腹をボールの縫い目にかけ、親指はボールの下をささせるようにしてボールを深く握ります。

斉藤 和巳のプロ野球入団直後のフォークの握り
写真:斉藤和巳 / KAZUMI SAITOH より

最終的なフォークの握り

1軍に上がり、先発ローテーションなどで投げ始めた頃に、当時正捕手の城島健司選手にフォークボールでアウトコース・インコースの投げ分けができるようにと話を受け、試行錯誤を経てこの握りになったそうです。

人差し指と中指の第一関節の部分に縫い目をかけるようにして、その指でボールを挟みながらしっかりと深くボールを握ります。

それまでの大きく開いた指の挟み方と、ボールの握りを変えることで、落差は落ちましたが球速の速さを活かしながらコントロールが付き、狙ったところに投げることで困った時にもこの球種を使えるようになり、同時にウイニングショットとしても投げ、数々の記録を打ち立てました。

斉藤 和巳の最終的なフォークの握り

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斉藤 和巳のフォークの投げ方

全盛期にウィニングショットとしてした時期の斉藤 和巳のフォークは、ストレートを投げる時と同じようにして腕を振り、ボールをリリースします。

感覚としても、まっすぐを投げる時に近い感覚と握りで投げることがコントロールが一番安定する為、この感覚で投げることがポイントになります。

斉藤 和巳のフォークの投げ方

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