亜細亜ボールは、亜細亜大学出身の一部の投手が投げる変化球で、DeNAのクローザー・山崎康晃選手や、福岡ソフトバンクホークス東浜巨選手が操るウイニングショットです。
これ以外にも、広島カープの薮田和樹選手に、九里亜蓮選手が亜細亜大在籍時に学び、武器としているツーシームが亜細亜ボールです。
今回は、亜細亜ボールのツーシームとの違いと特徴についてご紹介します。
ツーシームと亜細亜ボールの違い
シュート系の変化をする球種のツーシームは、空気抵抗によって軌道が変わるので、揺れる、曲がる、沈むなど変化の仕方はさまざまで、どう変化するかはピッチャー本人にも予測できない球種です。
その中でも共通して、ストレートに近い球速で小さく変化させ、ゴロを多く打たせられる半面、空振りは少ないという特徴があります。
一方で亜細亜ボールのツーシームは、フォークのような投げ方と軌道で、ツーシームながら空振りも多く奪えることができ、DeNAの山崎康晃選手はこれを駆使して球界を代表するクローザーとして活躍しています。
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東浜巨選手の亜細亜ボール
亜細亜ボールは、東浜巨選手が大学在籍時に投げ始めたのが源流と言われており、当初からシンカー気味に鋭く沈みバットの芯を外すボールで、東浜が大学4年間での完封の記録を残したことで、後輩に受け継がれることとなった球種です。
東浜巨選手のプロ入り後、2014年のオフにそれまで投げていたツーシームの変化を大きくするため、指の間隔を広げた握り方で空振りの取れるボールを開発し、これが現在の持ち球のツーシーム・シンカーを投げ始め、後輩に当たる山崎康晃選手はブルペンで東浜巨選手にこのツーシームを学びました。
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継承される亜細亜ボール
山崎康晃選手はプロ入り後にクローザーとなり、試行錯誤の末にツーシームを進化させて手にしたのはフォークやスプリットに近い縦に落ちる変化の亜細亜ボールを投げます。
また、東浜巨選手に教わったという九里亜蓮選手も「最初に教えてもらった握りを、自分で少し改良しました。芯をずらせればいいかなと思っています」と話しており、こちらはオリジナルの亜細亜ボールに近い意識で投げています。
そして、亜細亜大でプレーした阪神の高橋遥人選手も「横の変化しかなかったので、すごく大きな意味を持つボール」と亜細亜ボールの伝統は受け継がれていますが、「ムラがあるので、磨いていきたいです」とも話しています。
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山﨑 康晃選手の亜細亜ボールの投げ方
近年、多くのピッチャーが使うようになったツーシームですが、基本はバッターの手元で動いて芯を外すような軌道を描きますが、山﨑選手の亜細亜ボールは鋭く落ち、日によっては左右にも曲がりながら落ちるので、三振がとれる球種として活用されています。