伸びのあるストレートを投げる事はピッチャーにとって重要な事です。
いくら良い変化球をもっていても、この良いストレートが無いとそれらの変化球を生かす事が出来ません。
変化球というのは、ストレートあってこその変化球です。
伸びのあるストレートに、球速は関係ありません。
プロ野球の世界でも、伸びのあるストレートが投げられるのであれば130キロのストレートでも十分通用します。
しかし、伸びが無いストレートだとたとえ160キロの早い速球でも簡単に打たれてしまいます。
では、どのようにすれば伸びるストレートを投げる事ができるのでしょうか。
ピッチングの鍵となる、伸びのあるストレートを投げる3つのポイントを紹介したいと思います。
伸びる球のメカニズム
ボールの回転数について
ピッチャーが投げてからキャッチャーに届くまでの、球の回転数が多ければ多いほど伸びのあるストレートになります。
阪神タイガースの藤川投手は、ボールのスピードよりもこの回転数を意識して投おり、ストレートだと分かっていても打てないボールを投げています。
この藤川選手は、オールスターで当時全盛のカブレラ選手に全球ストレート宣言をし、見事に全員三振を取ったことがあります。
通常平均的な回転数が1分間で2000回転のところ、藤川選手が投げた球は、回転数は 2700回転もあるそうです。
実際、ストレートはもちろんの事、投げたボールは空気抵抗を受け、徐々に速度が落ちていきます。
しかし、回転数の多い球だと空気抵抗による浮きあがる力が生じ、速度が落ちにくくなり、伸びのあるストレートになります。
ストレートはいかに、この回転数を上げて投げるか?という事が非常に重要な考え方になります。
回転数を計測するテクニカルピッチ
球速を計測するのにスピードガンを使用するのが一般的ですが、球の回転数と伸びを計測する事ができません。
しかし、テクニカルピッチを使用すれば球速はもちろん、回転数や回転軸なども計測する事ができます。
テクニカルピッチは、ボールの内部に計測器が内蔵されており、プロ野球の硬式ボールと同じ材質、重さで作られている硬式ボールです。
このテクニカルピッチで回転数や球速の計測が可能で、稀にスポーツショップのイベントで計測が可能なので、試しに計測してみるのもいいかもしれません。
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投球フォーム3つのポイント
下半身の使い方
理想的なピッチングフォームは下半身からの力を加速させて、上半身を伝わりそれらの力をボールに伝えます。
なので、下半身というのはピッチャーにとって良い球を投げる為の生命線とも言えます。
ので、リリースの際は下半身の軸足に作ったこのタメを逃がさないように反対の足に移動していきます。
このタメを移動させるタイミングが、遅ければ遅いほうが軸足に力を残してしまう事なく、ボールに伝わる力も強くなります。
この体重移動が早いと、上体が突っ込む・体が開いている・ボールがシュート回転するという事が起こります。
その為に軸足にタメた力を逃さないために、お尻をキャッチャーに向けたヒップファーストで投球モーションに入ります。
このことからも、軸足にタメた力をギリギリまで止め、ボールを投げる瞬間に一気に乗せる下半身の使い方をする事が大切です。
さらに言えば、下半身をうまく使った投げ方をした方が、肩にや上半身にかかる負担が少なく、疲労も少なく安定して長いイニングを投げることも可能になります。
最後にリリースの直前になりますが、前に出した足の膝がその足のくるぶしよりも前にあると、下半身の力は前に向かう力でタメが逃げてしまうので、リリースのところまで下半身でタメを逃さないようにしましょう
腕の使い方
肩甲骨を使い、ムチの様にしなる腕の使い方が理想的です。
鞭の様にしならせるには、腕に力を入れてしまったら当然鞭の様にしならず、腕に力を入れたりしてはいけません。
その際ボールを高い位置に持っていくように意識しましょう。
速い球や伸びのあるストレートを投げようとすると、どうしても力んで腕に力が入りやすくなってしまいますので注意します。
あくまでもこれまでの下半身の動きを腕に連動させて、力を伝えることを意識します。
意識としても下半身を使い、体重移動をさせれば腕は自然と付いてくるものです。
力の使い方
ピッチング動作において、力を入れる瞬間はリリースポイントだけです。
それ以外で使っている力は無駄な力で、伸びのあるストレートを投げるのには全く必要ありません。
脱力のままリリースを迎えると手首が寝た状態でボールを投げてしまい、コントロールも安定しません。
その為、リリースの最後の時に力を込め、手首が寝ないように意識して投げるようにします。
いい意味で脱力し、その脱力の度合いは投球モーション中に腕を叩かれたら、握っているボールが吹っ飛んでしまうくらい、ボールをギリギリ落とさない程度の力で十分です。
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まとめ
球速はそれほどでもないのに、伸びのあるストレートで空振りが奪える投手を目指して、投球フォームを日々の練習で意識してみましょう。
結果そのストレートの相乗効果で、持っている変化球も活かすことができるようになります。