カットボールはスライダーとストレートの中間の位置付けの変化球です。
カットボールは、ストレートと同じ球速で「ほんのちょっと」そこから横に軌道がずれるという変化をします。
また、人によって少し沈み込むような変化をするので、空振りにすらならず、凡打になる可能性が高いのです。
この性質上、大変使いやすい球種といえますが、逆にストレートがさほど速くないと、いまいち使いにくいかもしれません。
そんなカットボールの投げ方や、練習方法についてご紹介します。
カットボールを投げる目的
変化幅はない球種です。
つまり速球と同じ扱いで投げ込み、手を出した相手を凡打に打ち取る「打たせて取るため」の変化球です。
握り方・投げ方はストレートに近いので、負担も少なく、ガンガン攻めたい投手にもってこいの変化球です。
特にストレート・チェンジアップ・カットボールの3球種を使えれば、投げた瞬間チェンジアップとストレート、手元に来てからカットボールとストレートの選択の幅でバッターにプレッシャーをかけることができます。
マリアノ・リベラ選手のカットボール
マリアノ・リベラ選手は、投球の8割以上がカットボールで現役中はほぼこの球種しか投げておらず、この球種だけで97年から2011年までの14年間で全て30セーブ以上と驚異的な記録を叩き出しました。
そのカットボールは、リリースの瞬間に中指に力を込めて内側にひねりが加わるようにして投げます。
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カットボールの握り方
ストレートから、わずかに指をずらした握り方です。
この握り方でストレートと同様の投げ方をすれば、カットボールになります。
このように握りを変えるだけの為、ストレートが投げられるなら、容易に投げられるようになります。
尚、カットボールの使い手でメジャーでも投げたことのある川上投手は、ストレートの握りで人差し指の力の加減の違いで、カットボールを投げていたようです。
カットボールに関して言えば変化幅が少ない方がこの長所を活かせるので、シームに指をかけるかどうかで変化幅の調整ができるということを覚えておくといいでしょう。
川上 憲伸選手のカットボール
代名詞であるカットボールは外国人野手や日米野球等で対戦したメジャーリーガー達から「日本で唯一本物のカットボールを投げる投手」と称された事もあり、2010年には被打率.148を記録するなど打者を圧倒した球種です。
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カットボールの投げ方
カットボールは、ストレートと同様、普通に投げるだけである程度の変化が期待できます。
それよりは変化幅そのものは少ない方が良く、打者側でボール一個分くらいずれてくれる方が「打たせて取る」カットボールの目的に沿った変化になります。
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切り札としてのカットボール
ストレートがきちんと投げられるなら、カットボールを習得するのは意外と簡単です。
しかし、カットボールは絶妙な変化をしてくれないと、やや遅めのストレートと言った感じで打たれやすくなります。
そこでカットボールを使用するなら、球速もそこそこあり、相手のミートポイント寸前で変化するようにしなくてはなりません。
その為逆に言えば、ストレートと遜色のない速度でカットボールを投げられないと、実戦では使えません。
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練習方法
カットボールは打者に見切られるか、またはいいタイミングで変化しないと打たれやすいものです。
しかも変化幅が小さいので正直投げたほうからすればどの程度変化して、どう飛んで行ったのかがわかりにくいと思います。
キャッチャーにアドバイスを聞きながら、打者のミートポイント近くで変化させられるようにしましょう。
まとめ
カットボールはイキのいいストレートとの抱き合わせ、選択によってより威力を増す変化球です。
そこで、カットボールを使用するならストレートの威力を高めることも同時に考えましょう。
打者があなたのストレートに警戒すればするほど、カットボールの効果が増してきます。
いいカットボールとは、いいストレートがあってこそのものであるわけですね。カットボールは速く・小さく・切れよくのコンパクトな変化が理想系です。