ナックルカーブは、ボールに指を立てて“弾いて投げる”という動作はナックルに通じ、これが名前の由来にもなっていますが、変化の仕方は無回転で揺れるナックルとは異なり、ボールに回転をかけることでカーブに近い山なりの軌道を描きます。
通常のカーブとの大きな違いは球速で、スピードを保ったまま鋭く曲がることで空振りを奪えるという特徴がある反面、制球するのが難しいと言われる球種です。
今回は、ナックルカーブの握り方と投げ方についてご紹介します。
ナックルカーブの凄さ
ナックルカーブは、通常のカーブの握りから人差し指の指先か爪をボールの縫い目にかけ、リリースする瞬間に人差し指でボールを強く弾きます。
独特の握りでカーブよりも強烈な回転をかけることで、速い球速で非常に大きな変化をしますが、ボールの握り方が特殊である為、コントロールが難しい球種です。
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ナックルカーブの握り方
ナックルカーブは、中指をボールの縫い目に沿うように置き、人差し指は折り曲げて爪の部分をボールの縫い目にかけます。
親指は縫い目にかからないようにして、中指の対角線の位置になるようにして置き、ボールを握ります。
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ナックルカーブの投げ方
腕の振りは、ストレートを投げる時と同様にして腕を振り、ボールのリリースの直前で手首で回転を加えながら、親指で押し出すようにしてボールを投げます。
その際に、立てた人差し指でボール弾きながらボールをリリースすることで、強い回転が加わりさらに速い球速を出すことができます。
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ナックルカーブを投げるプロ野球選手
プロ野球でも、魔球とも呼ばれるナックルカーブの使い手がいます。
五十嵐亮太選手
五十嵐亮太選手のナックルカーブは、通常のカーブ以上に強いトップスピンがかかり、比較的速いスピードで大きく曲がります。
平均球速は120km/h後半で、空振率は約16%とまずまずの数字ながらも、被打率は.190と五十嵐亮太選手の投球には欠かせない球種になっています。
森唯斗選手
森唯斗選手は 2015年まで投げていたカーブを、このナックルカーブに変え2018年のサファテ選手が股関節の故障で離脱する事態を、チームのクローザーとしての役割を果たし、チームの日本一連覇に貢献しました。
森唯斗選手のナックルカーブの使い方の傾向として、この球種で空振りをとるよりは、見送りでのストライクをとることが多いことが特徴です。
ディクソン選手
ディクソン選手は、大きく縦方向に曲がるナックルカーブの使い手です。
救援での登板に専念した2019年には、このナックルカーブの平均球速が120km/h後半から142km/hにまで上昇し、2018年まで1試合平均で6.61だった奪三振率も、9.59にまで向上し、2勝1敗5ホールド18セーブ、防御率3.03と好成績を収めています。