盗塁をはじめとする機動力を生かす作戦は、得点に結びつきやすいだけでなく、相手チームにプレッシャーを与えることができます。
ピッチャーの集中力はランナーとバッターに分散され、いつもどおりのピッチングができなくなることもあります。
今回は盗塁の種類と、盗塁を成功させるコツについてご紹介します。
リードする時の注意点
リードは大きければ大きいほど、盗塁の成功率が上がります。
初心者はベースから3歩(約2メートル)、上級者は5歩(約3~4メートル)離れるのが目安です。

100メートルを13秒で走るランナーなら、1メートルリードを大きくするだけで、次塁に0.1秒早く到達でき、十分アウトかセーフを左右する時間です。
しかし、リードを大きくすると、それだけ牽制球でアウトになる可能性も高くなるので、スタートするまでは、つねにベースに戻る意識を持ち、頭の中で帰塁の準備をしておくことが大切です。
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盗塁のスタートのタイミング
リードは大きいほうが盗塁の成功率が高くなりますが、同時に重要なのが、スタートのタイミングです。
リードが大きくてもスタートのタイミングが遅れれば、アウトになる可能性が高くなります。
スタートは、姿勢を低くして思い切りよく行なうことが必要ですが、もう一つピッチャーのクセを見抜くことも大切です。

牽制球がくるときのフォームと、こないときのフォームを正確に見極めることができれば、かなり早いタイミングでスタートを切ることができます。
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盗塁の5つの種類
盗塁には大きく分けて5つの種類があります。
これらの種類をいろんな場面で使い分けることでチャンスを大きくすることができます。
チャンスがあれば、是非試してみましょう。
二塁への盗塁
二塁盗塁は、キャッチャーから二塁への距離が三塁の約1.4倍程ある為、一番成功しやすい盗塁です。
また、右ピッチャーの場合は振り返らないとけん制球を投げられない為、ランナーがリードを大きくとりやすく、二盗成功の確率が高くなります。
三塁への盗塁
三塁は、つねにショートやセカンドがベースについていられないので、一塁のときよりも大きくリードをとることができるのが特徴です。
ただし、キャッチャーから三塁までは、二塁より近いので盗塁しづらい点もありますが、牽制や送球ミスで一挙にホームインできる可能性もあるので、ランナーはつねにホームも奪う気持ちでいることが大切です。

なお、ショートがランナーを警戒しているように見せかけておいて、セカンドが二塁に入ってけん制球でアウトにするピックオフプレーがあるので、ランナーは野手それぞれの動きに注意するようにしましょう。
ホームスチール
ピッチャーの投球と同時に、三塁ランナーがスタートを開始し、球よりも早く、もしくは球と同時に本塁に滑骨り込むのがホームスチールです。

成功の確率は非常に低く、ほとんど行なわれることはないが、意外性の高い戦術だけに、バッテリーをあわてさせ、ミスを誘い、成功することもある。とくに左ピッチャーの場合、ランナーに背を向けることになり、リードがとりやすくスタートも切りやすいので、成功率は高まります。
ディレイドスチール
ディレイドスチールは、キャッチャーがピッチャーにゆっくり返球するとき、あるいはピッチャーの投球前など、守備側がランナーへの警戒を弱めたスキを狙って行なう盗塁です。

この盗塁を成功させるコツは、ランナーが盗塁の素振りを見せないことで、まさか盗塁するはずがない、と信じ込ませることがなによりも大切です。
ほとんど盗塁の可能性のない鈍足のランナーが、意表をついて成功させる場合が多くみられます。
ダブルスチール
ランナー一・二塁のとき、または一・三塁の時などに、二人のランナーが盗塁するのがダブルスチールです。

しかし失敗すれば、2アウト二塁か三塁になり、チャンスが一気にしぼんでしまい、攻撃側のリスクが高いために、守備側が油断して予測しない時があり、そんなときこそダブルスチールの成功率が高くなります。
また、2人が同時に盗塁すれば、どちらをアウトにするか、野手もキャッチャーも迷い一瞬送球が遅れることがあります。
なお、一・三塁のときは一塁ランナーがまずスタートし、キャッチャーが二塁に送球した瞬間に三塁ランナーがホームを狙いますが、キャッチャーの送球をピッチャーがカットし、ホームに返球することもあるので、三塁ランナーは十分注意しなければなりません。
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盗塁を成功させる4つの方法
選手の特徴と癖をチェックする
盗塁を成功させるためのポイントは、ピッチャー、キャッチャー、そして、二塁ベースに入ってくる野手をしっかりとチェックすることが重要です。
ピッチャーの場合、牽制球の上手い下手はもちろんのこと、ショートバウンドが多いかどうかをチェックします。
次にキャッチャーの場合はどんなに強肩でも、二塁送球のコントロールはどうなのかをチェックします。
キャッチャーの送球を受ける野手のキャッチングとタッチワークをチェックし、その結果、ピッチャーは牽制球もうまい、コントロールも良い、キャッチャーは強肩でコントロールも良い、野手もキャッチングもタッチワークも良い…ということになったら盗塁はあきらめた方が無難です。
ですが、このうちのどれか一つでも欠けていたら思い切って盗塁を試みてみる価値があります。
ピッチャーの足を見て走る
盗塁は「スタート」「スピード」「スライディング」が大事だといわれていますが、まずはスタートをしっかりと切ることから始めましょう。
それにはピッチャーの投球と牽制球を見極めてスタートすることが大事です。
一塁への牽制球は、軸足をピッチャープレートのうしろへはずして投げてくる場合と、まったくはずさないで投げてくる場合があるので、軸足だけを見ていては不十分です。
右ピッチャーの場合は、左足が高く上がったらバッターへの投球であり、左ピッチャーの場合には、左足がプレートと交差したらバッターへの投球と見て、思い切りスタートを切りましょう。
スピードに乗るようなスタートをきる
塁間は約27メートルだから、リードしている分とスライディングする分を差し引くと、20メートルくらいをいかに速く走るかにかかってきます。
それには走り出したらすぐにトップスピードに乗るようなスタートの切り方をすることが大事です。
まず、リードしている時点で上半身をリラックスさせておくように心がけ、右手を後方へ引きながら方向転換をし、左足からスタートします。
スタート直後は、逆ハの字でストライドも小さく、体が上下動しないように低い姿勢で走り、徐々に頭を上げていくことによってトップスピードに乗ることができます。
スライディングは思い切って滑る
一塁と本塁以外は駆け抜けができず、ベースからちょっとでも離れたところをタッチされれば「アウト」になってしまうので、クロスプレーになりそうなときは必ずスライディングをしましょう。

そのスライディングも躊躇するとケガの原因になるので、思い切ってすべるようにします。
また、滑りこんだら素早くボールの行方をチェックし、ボールが大きくそれていたら、そのまま一気に三塁まで走るつもりで、すべりこんだら素早く立ち上がることが大事です。
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走塁とスライディング
盗塁のベース付近では、スライディングも掛け合わせて行うことが多いので、色々なスライディングの方法も合わせて知っておくと便利です。
是非学んでおきましょう。