足の上げ方にもいろいろあり、足を上げる打ち方で代表的な例としては、一本足打法の王貞治氏が最も有名ですが、イチロー選手のようにおしりのほうから間かないで出ていく方法や、単にガニ股気味で軸を乗せる感じで上げる様々な方法があります。
このようにいろいろな足の上げ方がありますが、それぞれに理由やメリット、デメリットがあるので、一長一短です。
今回は、ステップのメリット・デメリットとタイミングの取り方についてご紹介します。
足を上げるメリット·デメリット
足を上げて打つ場合、足の着地とともにバットを出せることで自分が力を入れるタイミングがとりやすく、スイングスピード、パワーをバットに加えやすくなるということがメリットです。
軸足にしっかり体重を乗せることができない選手は、足を上げて一回、軸を意識させて力を溜める作業をするということは非常に有効なやり方です。
バッターは、打つために、ついつい前に行こうとしてしまい、体重が乗りきらないまま体が前に行ってしまうことがあるので、しっかりと体重移動するためにも、足を上げことが有効です。
これは、足を少しだけ浮かせるだけでも良く、上げた足が地面に着く瞬間に体が回りやすくなるので、インコースをさばきやすくなるという選手も多くいますが、足を上げて下ろすという作業に伴って、体が上下動してしまい、目線がブレてしまう可能性も出てきてしまい、動きが大きくなることによるデメリットとも言えます。
また、足を上げることでトップの位置をキープすることも難しくなる為、選手個々の対応力や感覚が重要になってきます。
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足を上げないメリット·デメリット
足を上げないバッティングフォームは、動きが少なくなることで目線がブレたり、トップの位置が狂ったりということも少なく、バットに当たる確率が上がります。
バットにボールを当てるという、ヒットを打つための前提を考えれば、3000本安打を記録した張本勲氏や、MLB移籍後の大谷翔平選手のように擦り足、ノーステップという打ち方は理に適っていますが、いつも足を上げているバッターが擦り足をやると、どのタイミングで始動していいのかがわからなくなったり、足をどこに着いていいのかが分からず、足の幅、スタンスが定まらず、形が一定にならなくなるというケースがあります。
長打力を求めたいのか、コンタクト率を求めたいのか、何を求めて足を上げるかと、それぞれの目的によって足を上げる・上げないを決めることが重要です。
また、加えて、タイミングをとるのが下手なのか、体重移動の感覚が分からないのか、パワーをつけたいのか、それによって足の上げ方は変わり、どの上げ方がいいのか悪いのかということは、その人のバッティング能力によります。
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バッティングの大きな動きと小さな動き
バッティングは、構えたときの静の状態から動き出しますが、人間の動作はどちらかと言えば動から動の方が、動きがスムーズです。
どうしても、完全に止まった状態から動きだそうとすると、どこかぎこちなくなってしまうもので、動きだすきっかけが必要になります。
その為、止まっているように見えても、どこか動かしていたり、気持ちの中だけでもスーッと後ろにバットを引っ張っていくようなイメージを持ちながら、動から動にしているもので、小さな動きであれば、構えもスイングも崩れにくくなります。
逆に動いておていたほうが力まないでトップにいき、タイミングをとりたい場合は、大きい動きの方が自分に合う動きとも言えます。
足を上げるという作業もこの予備動作のようなものと考えていいもので、足を上げないバッターでも、これらの動きの意味を無意識にもっているものです。
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動きの機械化
バッターは、常にいつも同じ動きで自分のスイングをしたいものです。
ですが、体を大きく動かす場合、毎回それと同じ動きを維持するのが難しくなるもので、たくさん動けば動くほど、いつもと同じスピードで同じ型で同じ動きをするのが難しくなります。
例で言えば、ピッチャーに急にクイックで投げられたら間にあわないことがあり、そのときにどう対応するかも大事で、バッターは、そういうメリット、デメリットを計算しながら自分の形を作っていくことが重要で、一番大切なことは、タイミングがうまくとれるかどうかということで、自分の体の動きをどれだけ機械化できるかにつきます。
野球は相手が必ずおり、マウンドからピッチャーとのかけひきも加わり色々な動作をされながらもどう対応するかが大事になってきます。
バッティングの動作は、反応に近いものなので、いつも同じ動きが出来るように、タイミングを一番とりやすい方決を工夫することが重要です。
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タイミングのとり方
タイミングのとり方というのはバッティングの永遠のテーマで、ピッチャーの投球動作にタイミングを合わせることができれば、自分のイメージしているスイングに近づけることが出来ます。
タイミングのとり方はいろいろな方法があると思いますが、一例で言えばつま先を引きながらとる、膝を内側に入れながらとる、ステップでカカトを上げて下ろしながらとる、手と腰を引きながらとる…。と、それぞれ自分の中で作り上げていくものです。
タイミングをとる時に大きくゆっくり動く場合は、動作が長くなる分、それだけ同じ動きをしにくくなりますが、始動が早くなる分、その中でタイミングを修正できるというという利点もあります。
反対に、小さく動く場合は、同じ動きがしやすくなりますが、動きも速く短くなり、タイミングが崩れたときに修正しにくいというマイナス面があります。
このようにタイミングの取り方には大きく分けて大きい動き、小さい動き、それぞれにプラスマイナスがあります。
この2つ以外では、手でタイミングをとる場合、手は足に比べて細かい動きができ器用な為、同じ動きを行ないやすくなりますが、細かく動きやすい分、かえって微妙な調整が必要になり、同じ動きがしにくくなるということも言えます。
これらのタイミングの取り方に加えて、相手ピッチャーの動作のどの時点でトップの状態を作るかが変わってきます。
例えば、球離れの遅い手からボールが離れるまでの時間が長いピッチャーや、ふりかぶってから投げるまでが非常に早いピッチャーや、ランナーがいるときはクイックモーションで投げられることもあります。
タイミングが合う合わないは、ボールのスピードの緩急だけでなく、ピッチャーの投げ方による部分も大きなウエイトを占めており、これらの動作と相手ピッチャーの動作をどこまで同調できるかがタイミングの取り方のカギになります。