センター返し・流し打ち・引っ張りの打ち方

センター返し・流し打ち・引っ張りの打ち方

プロ野球でも良いバッターは、広角打法と言われるようなセンター返し・流し打ち・引っ張りの3種の打ち方をケースによって使い分け、ヒットやホームランを放ちます。

これはもちろん打席での意識だけで為せるものでなく、自分の癖や得手不得手もすることでどの方法が良いかを瞬時に判断し、その打ち方を自然に出せる状態を知り、それを試合の中で実践しています。

センター返しを打つ高校野球の選手

今回は、センター返し・流し打ち・引っ張りを活用したバッティングとイメージについてご紹介します。

4つの基本的なバッティング

バッティングには大きく分けて、センター返し・流し打ち・引っ張りの3つの打ち方に加え、おっつけるという表現をするバッティングがあります。

センター返し

センター方向を中心に打つ・センター返しの打ち方は、バッティングの基本中の基本とされていますが、これはボールの軌道に対して、センター方向にバットを出していくことが、一番高い確率でバットとボールを正対させる方法の為です。

単純に考えても、ボールが向かってきた方向に反発力も使って打ち返すことが一番無理のない打ち方で、力も加わりやすい打ち方で、外野のセンター方向が一番広くなっています。

センター方向に打とうとすれば、体を開かない形のままで打つことができ、近め・遠め、速い球・遅い球に対しても、センターへ意識を持っていれば、ある程度その形をキープすることができ、どんなボールに対しても対応力を持ってバッティングすることができるます。

その為、センター返しがバッティングの基本中の基本と言われる由縁です。

引っ張り

ボールをバットで引っ張る時に一番気を付けなければいけないことは、引っ張ろうと思った段階で、体が前に出たり、体の開きが早くなったりして、細かい変化球に対応がしにくくなることです。

スイングが崩れ始めてしまうと考えたほうがよく、ランナーを進めるために、左バッターが一、二塁間に無理やりにでも引っ張らなければいけないときもありますが、そうでなければ、なるべくセンター返しの姿勢を保ち、打つポイントだけを変化させて打つということが理想的です。

流し打ち

流し打ちは、右バッターならセンターから右方向に、左バッターならセンターから左方向に打つことでですが、例えば左バッターなら、体が一塁に向かいながら、レフト方向に合わせるような打ち方をイメージしがちですが、そのような打ち方では、バットが遅れてきて、ヘッドスピードがなくなっている状況です。

その為、甘い球しかヒットゾーンに飛ばなくなってしまい、アウトコースギリギリのボールは、もちろんファールになりやすく、インコースの球もうまく捌くことができません。

流し打ちで大事なことは、流すのではなく、センターに打ち返す感覚で逆方向に強く打ち返すという感覚が正しく、基本に忠実なセンター返しの打ち方を変える必要はまったくないことを心がけましょう。

おっつける

ボールにおっつけるバッティングは、インコースのボールをセンターから逆方向にもっていくというイメージで、ギリギリまで我慢してボールをひきつけながらボールとの距離感をうまくとって、バットをぶつけるように振ることで、逆方向にボールを運んでいくイメージです。

おっつけるバッティングも、ランナーを進めるために、右バッターがそうせざるを得ないという場合はありますが、外寄りのボールに対してもおっつけると表現することもあり、また、強引に引っ張らない形を総称して使うこともあります。

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コースに逆らわないバッティングとは?

コースに逆らわないバッティングは、センター方向を中心に打つということと同じく、ボールの軌道に対してバットを正対させてバッテイングをすることです。

常にセンターに打ち返すイメージで打っていれば、後はボールのコース、タイミングによって、打球の方向が勝手に決まっていくと考えたほうが良く、バッティングの目的というのは、言い換えれば、ボールに力をきっちり加えて、力強い打球を飛ばすことです。

例えば、外に対してまっすぐバットが出るスイングをしていても、インコースにボールがきたら対応ができません。

このように、常にセンター方向に打球を飛ばす形にしておけば、外に来ても内に来ても、多少ポイントが変化するだけの話で、最初からこのコースにはこの打ち方と決めつけていくと、対応力やスイングの軌道と打球の行方が失われてしまいます。

その為、バッティングには引っ張る・流し打ち・おっつけるなどの言葉がありますが、あまり意識しすぎない方が良く、理想を言えば一つの打ち方で対応できることが重要です。

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打ちやすい球を打つ重要性

ピッチャーの投げたボールは数秒で打席を通過しキャッチャーのミットに到達します。

その数秒の間、ボールにバットを力強くぶつけるのがバッティングの基本ですが、「インコースは腕をたたんでポイントを前」「アウトコースは引き付けて腕を伸ばす」など、実際このように考えてからのバッティングでは、とてもボールをとらえることはできません。

その為、バッターはバットがボールに当たる瞬間まで、見えているわけではなく、「最終的にはこのへんにボールが来るだろう」と、ある程度のところでボールの軌道を予測してバットを出します。

プロ野球で、ヒットを量産することができる良いバッターであっても、打率は三割台で、言ってしまえばどんなバッターでも七割は失敗します。

全てのコースに対応する力はもちろん必要ですが、出来ることを確実に行うというのが一番効率が良く、ど真ん中の一番打ちやすい球があって、そこから打てる範囲やコースを広げていくということが大事になります。

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コントロールミスを狙う意識

プロ野球を見ていると、解説者がストライクゾーンを9分割にして解説している場画を目にしますが、草野球ではそこまで細かいコースを意識してコントロールできるものでは到底ありません。

ピッチャーのコントロールというのは、プロ野球でもボール半個分、一個分の出し入れなどと解説で言われることを耳にしますが、ピッチングのコントロールもなかなか難しく、どんなにコントロールがいいと言われるプロ野球のピッチャーでも、一試合の全打席の中で必ず何球かコントロールミスがあるものです。

バッターはそれを絶対に打ち損ねないということが大切です。

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自然体の重要性と意識

打てる球を確実に素直にセンターに打ち返すことが徹底できていれば、タイミング・コース・球種に対して対応力が出てくることで、スイングの形も維持できるようになります。

アウトコースのバッティングフォーム

そうすることで打席での余裕もあり、難しい球に手を出したり、変にヤマを張ってタイミングのとり方を狂わせたりということがなくなります。

自分の形を崩さないまま、追い込まれるまでは際どい球、打ちにくい球はきっちりと見逃す。ストライクが先行したとしても、落ち着いて、打てる球を待つ。

こうなるとバッテリーも簡単にストライクをとることができず、苦しくなっていくことがあり、バッターの自然体からかもし出される雰囲気は、ベンチから見ていてもわかり、伝わるものです。

このような雰囲気を出せるバッターになれるよう、自分の得手不得手を知り、練習でレベルを上げていきましょう。

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