ホームランバッターとアベレージヒッターの違い

ホームランバッターとアベレージヒッターの違い

スイングスピードと打球の角度に違いが見られる大きな放物線で観客を魅了するホームランバッターと、巧みなバットコントロールでヒットを量産するアベレージヒッター。

ホームランバッターのフォーム

今回は、この2つのタイプの、ホームランバッターとアベレージヒッターの違いについてご紹介します。

スイングスピードと打球の角度の違い

ホームランバッターと、アベレージヒッターのこの2タイプのバッターの違いを挙げる場合、大きく異なる点はスイングスピードと打球の角度です。

プロ野球選手の場合、スイングスピードはホームランバッターが140〜150km/hなのに対して、アベレージヒッターは140km/h前後で、2015年にある番組の企画で計測されたスイングスピードのランキングでは、ソフトバンクの柳田悠岐選手が1位で、163.6km/hを記録しています。

柳田悠岐選手のフルスイング
写真:VikoSan Mandrykin より

打球の角度については、ホームランバッターは0〜30度、アベレージヒッターは約5度となり、ホームランバッターはダウン気味にバットを振ってスイングスピードを上げ、インパクト後にバットが上昇する「V」字の軌道を描くことが多くなります。

このV字スイングは、ボールを捉える時はダウンでボールを点で捉えるイメージで振り出し、そのままボールに回転を与えてからアッパーでフォロースルーする事により、ボールは伸びて浮遊する為高弾道の打球が多くなり、打ち損じてもライナーで強い打球が行く可能性もある為、ヒットになる確率も高くなるスイングです。

柳田悠岐選手のV字スイングの軌道
写真:Analistic Sports より

また体を後ろに傾けることでバットをボールの下に入れ、打球に角度をつけるという特性を持つ選手が多い傾向があります。

なおこの打ち方は、たいへんな筋力が必要になる一方で、アベレージヒッターは、バットの軌道が水平に近くなります。

ミートゾーンが広くなり、ツーシームなどの動くボールに対してもしっかりとミートすることができますが、その分、スイングスピードはホームランバッターと比べると遅くなってしまいます

また、打球の角度については、バットの軌道の違いからくるものです。

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ボールの待ち方の違い

アベレージヒッターの場合、さまざまなボールに上手く対応して打ち返します。

逆にホームランバッターの場合、あらゆるボールに手を出さず、打球に角度をつけるためにホームランを打てるボールが来るまで待ったり、自分の得意なコースへ投げさせることが多い傾向があります。

特に得意なコースへ投げさせるために、アベレージヒッター以上に、読みや駆け引きを行って打っている。

例えば、ボールになる変化球をわざと空振りし、ピッチャーに「苦手なコースだ」と思わせておき、そして次に同じコースへ来た際にしっかりと仕留めるといった手段を使っている選手もプロ野球の試合で見かけることがあります。

他にも、実はインコース狙いなのにも関わらず、アウトコースのボール球に手を出し、バッテリーが「このバッターはアウトコース狙いだな」と判断して投じたインコースを、「待ってました」とばかりに狙い打ちます。

このような例の一般的に、アベレージヒッターの方が駆け引きを通じて緻密だと思われているかもしれませんが、イチロー選手などの優秀なアベレージヒッターは、入団直後からタイトルを獲得するケースが見られますが、松井秀喜選手のようなホームランバッターの場合、プロ入り後しばらくしてからタイトルを獲得する場合が多く見られます。

筒香選手のホームラン
写真:2020 bb より

これはプロのピッチャーとの駆け引きや読み合いに慣れるためには、どうしても試合経験の積み重ねが必要になる為で、現代の野球ではホームランバッターは天性の素質だけでなく、試合経験で育っていく要素も非常に大きなウエイトを占めています。

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ホームランバッターになるには?

より高いレベルでホームランを打つためには、体格や筋力、配球を読む力などが必要で、まだフィジカルができていなければ、できるだけ正しいスイングを身につける必要があります。

ホームランを狙う場合には、V字を描くスイングが理想的で、遠くへ飛ばすためには、バットのヘッドを返して早くボールの下へバットを入れる必要があり、その為にはかなりの筋力も要求されます。

時々言われる「前が大きい」という動きが、まさにこのバットを振り上げる動きで、インパクト時にボールの下側へ入る打ち方のため、バットを振り上げるとボールが上がりやすく遠くへ飛びやすいスイングになります。

このあたりがホームランバッターになるポイントで、筋力の強化と共にスイングの軌道についても見直してみましょう。

ホームランを打つ為の条件と打ち方

プロ野球や高校野球はもちろん、草野球でも体が大きくはないのにスタンドにボールを運ぶ能力のある選手がいます。

ホームランを打つ為には、一定程度の筋力とスイングスピードがあることは大前提ですが、それ以上に大事なのはホームランを打つ為のポイントを知っていることが挙げられます。

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