斉藤 和巳のピッチングフォーム

斉藤 和巳のピッチングフォーム

斉藤和巳氏は、190cmを超える長身を生かした最速153kmの角度のある直球とカーブ、2種類のフォークが武器を投げ分ける2000年代を代表するホークスのエースでした。

斉藤和巳のピッチングフォーム

今回は、斉藤 和巳のピッチングフォームについてご紹介します。

斉藤和巳の凄さ

斉藤和巳は、長身を高さの位置エネルギーとして使うのではなく、前後の体重移動の幅の大きさでパワーを高めて、それを腕に伝えるピッチングが特徴的なフォームです。

身長に伴ってステップ幅も広くなりますが、最後まで軸足に重心が残っており、それをリリースの時に一気に前に移動し、重心移動の幅が広く早いことも大きな特徴です。

フォロースルーではステップ足にしっかりと乗っていて鍛えられた下半身と、長い手足を最大限に使ったフォームです。

スポンサーリンク

テイクバック

ワインドアップで投げる時、その直前に身体をピタリと止めて気持ちを集中すると同時に、身体のあちこちの部分のタイミングを合わせ直す為ステップ足を上げてしっかりと静止しながら投球動作を行っていきます。

斉藤和巳のテイクバック
写真:Rutta -baseball- より

この静止する動作が斉藤和巳のピッチングフォームでは重要で、静止したときに上体がふらつかないよう、足を高く上げすぎず、軸足のヒザを少しだけ曲げます。

斉藤和巳のテイクバック
斉藤和巳のテイクバック

スポンサーリンク

ステップ

ピッチングモーションはシンプルであればあるほど、狂いが生じにくくコントロールも安定し、始動の時に両足で立って打者と対時した時の重心や、身体の軸を維持したまま投げられれば正確なボールが投げられます。

斎藤和巳はステップする時に重心を無理に軸足に残さず、体の芯を重視して体重移動を行い、長身の為ステップの幅そのものが大きくなりますが、足をステップさせるときに身体の芯を直立させて安定性を増している。

斉藤和巳のピッチングの時のステップ
斉藤和巳のピッチングの時のステップ

通常は、球威や球速を求めるとさまざまな動きを加えて、ピッチングが複雑になってきますが、斎藤和巳特有の手足の長さと身体の柔軟性で、球威や球速を確保しているのでモーション自体がシンプルです。

スポンサーリンク

ステップからの体の回転

ステップしたら、身体の右側を弓のように大きくしならせながら、身体の左側ではしっかりとマウンドを掴み身体を安定させ、グローブをはめた手で壁を作って支えています。

斉藤和巳のステップからの体の回転
斉藤和巳のステップからの体の回転

ピッチャーの身体には、柔軟性、身体を固定する筋肉、早く動く筋肉、右腕と左足・左手と右足を繋ぐ筋肉など様々なフィジカルが必要ですが、その理由が最もわかる瞬間です。

スポンサーリンク

リリース

大きな身体を、より大きく使うことで身体の軸を終始維持したままのピッチングモーションで、身体の大きさには腕の長さももちろん含まれます。

リリースポイントではステップ足を中心にして直角三角形ができ、頭は軸足の真上にのり、腕と左足と背筋が一直線に並ぶ美、身体の全ての動きを指先に効率良く集めてリリースするフォームです。

斉藤和巳のリリース時のフォーム
斉藤和巳のリリース時のフォーム

フォロースルー

フォロースルーは、グローブをはめた左腕を身体の後ろまで大きく引き、身体の回転での力をうまく逃すのと同時に大きなフォロースルーを実現しています。

斉藤和巳の球種と投げ方

斉藤和巳氏の現役時代は、オーバースローから投げる平均球速約144km/h、最速153km/hのストレートとスライダー、緩やかなカーブ、2種類のフォークボールを武器とし、まれにカットボールやチェンジアップも交えたピッチングで、通算79勝23敗、通算勝率.775の記録を残しました。

以下は、斉藤和巳氏が現役時代に決め球にしていたフォークと、カーブの握り方や投げ方について写真を交えご紹介しています。

直球や変化球の投げ方カテゴリの最新記事