シンカーの投げ方

シンカーの投げ方

右ピッチャーが投げ、右方向に曲がりながら落ちていく変化球をシンカーと言います。

カーブと反対へ変化する軌道になりますが、シンカーには落ちる前にややボールが浮くという特徴があります。

その為、バッターから見ると急激に沈むように見えるのが特徴です。

なお、左ピッチャーが投げる場合は呼び名がスクリューに変わります。

投げ方の都合上、上から投げ込むオーバースローのピッチャーにとってはかなり投げづらく、肩への負担が非常に大きいので、シンカーはアンダースローやサイドスローのピッチャーの特権と言ってもいいかもしれません。

ピッチングフォーム

今回は、このシンカーの投げ方や握り方についてご紹介します。

特徴

シンカーとシュートは、同じ変化球のカテゴリーとなるほど近しい存在です。

この2つの球種には共通した特徴があり、打者の内側へ食い込むように入ってくるという特徴です。

この特徴だけでもシンカーは非常に強力なのですが、シュートの変化に加え沈み込みます。

つまり、落ちるシュートと言っても過言でもありません。

打者側からすれば打ちづらい嫌な球で、サイドスローの投手の切り札として活躍できる変化球です。

サイドスローで切り札としていた高津臣吾選手

高津 臣吾選手のシンカーは、サイドスロー特有の横からボールをリリースする為、下から一旦浮き上がった後、バッターの手前で沈むような軌道を描き、90年代のヤクルト黄金期を支え4度の日本一に貢献しました。

サイドスローであれば、シンカーの投げ方の見本と言っても過言ではありません。

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シンカーを投げる目的

配球を読まれない限り、どんな状況で投げても一定の効果が期待できます。

特に芯を外し、ひっかけやすい球種なので、ゴロにしやすくダブルプレーを狙いたいときは有効です。

さらに、シュートと違い縦変化が加わるので、空振りも期待できます。

弱点としては、デッドボールの危険があり、ストライクを取りにくい球種なので、カウントが不利な状況では、やや使い勝手が悪くなります。

シンカーを決め球に使う場合は、カウントが有利になるように配球を組み立てると効果的です。

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高速シンカーを投げる目的

シンカーは、高速で投げられるようになると、さらに使えるようになります。

高速シンカーは、通常のシンカーよりも相手を打ち取るときの決め球として活躍してくれるでしょう。

バッターも、遅いシンカーと高速シンカーの両方を使いこなせるピッチャーを打ち崩すのは容易ではありません。

両方のシンカーを使いこなした潮崎哲也選手

左投手が投げるカーブのような軌道のイメージで、この軌道で投げる為、握り方もカーブと逆、リリースもカーブと逆という発想から潮崎 哲也のシンカーが誕生しました。

西武ライオンズで同僚だった松沼雅之氏は、パームボールのように揺れながら浮き上がり、そこからフォークのように落ちてくると表現しています。

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シンカーの握り方

握り方は、中指を縫い目に沿わせ、人差し指は縫い目からややズラします。そして、親指と薬指は軽く縫い目にかけ、4点で支えるようなイメージで握ります。

シンカーの握り
引用:おっさん野球 より

特に縫い目に指がかかることを意識すれば、回転もかかりやすく投げやすく、言い方を変えれば、無理に握り方にこだわる必要はありません。

自分にあった握り方や投げ方を見つけましょう。

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シンカーの投げ方

投げる際は、リストを内側にひねってリリースし、ボールに回転をかけます。

ストレートを投げるフォームから、スビードの遅いンンカーを投げることができれば緩急をつけることができ、ほかの回転系変化球と組み合わせるのも有効です。

サイドスローの場合は、ボールの上部を押し出して切る事ができれば、自然とシンカーになるので、リリースと握り方に注意しましょう。

サイドスローでシンカーを投げるピッチャー
引用:おっさん野球 より

またシンカーには、投げる際手首を外にねじる投げ方もありますが、身体の負担を考えるとあまりオススメできません。

切り札としてのシンカー

シンカーは落ちるシュートといえる変化球です。

利き腕側に曲がりながら落ちる軌道で、さらに落ちる前に一瞬浮くという特徴があるため、バッターにはボールが沈んだように見えます。

打ちとることが主な狙いですが、球速を出せるようになると決め球としても力を発揮します。

シンカーをさらに活用する場合は、高速シンカーと、低速で大きく曲がるシンカーの両方を使いこなせるようになれば、ピッチングの幅が大きく広がりバッターにとって手強いピッチャーになります。

練習方法

内側に切り込んでくる変化球でデッドボールの危険性が高い為、まずはコントロールが必要です。

サインを見るピッチャー

次は速度について練習しましょう。

変化幅はさほど気にしなくて良く、高速シンカーであれば、打者の手前で軽く沈む程度の変化でも充分戦力になります。

そして、実際にバッターが立ってもらい度胸も付けておきましょう。

投げるコース

右バッターの場合は、ボールが内角低めに落ちるようにコントロールしましょう。

シンカーを要求するキャッチャーのイラスト

ここのコースは、バッターにとって非常に打ちづらいコースで、打球を詰まらせることができます。

左バッターの場合は反対の外角低めを狙います。

この位置も、手が出にくく長打は難しいコースです。

ストレートのあとにシンカーを投げると緩急がついて、効果的です。

シンカーは横から投けた方が繰り出しやすい変化球なので、フォークボールが難しいサイドスロー・アンダースローのピッチャーは是非身につけてみましょう。

アンダースローでのシンカーの投げ方

シンカーは真っすぐと同じ軌道で最後にスッと沈んでバットの心だけを外す軌道で、空振りを取る球ではなく、内野ゴロに仕留める球種ですが、リリース時の手首の角度と握り方で軌道が大きく変わります。

握りを同じにしても、投げられないのが変化球の面白いところで難しいところでありますが、大事なのは、どう投げるかです。

色々な投げ方を試しながら、自分のフォームと照らし合わせていくことが重要です。

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