プロ野球の打線は、監督や球団が戦略・テーマを打線名にする場合がありますが、好打者や強打者揃いの打線がチームの快進撃を後押しし、打線名が愛称として定着することが多くあります。
今回は、プロ野球で2000年代を代表する記憶と記録に残る3つの打線についてご紹介します。
福岡ダイエーホークスのダイハード打線
南海ホークスが福岡移転後に王貞治監督の信念で鍛え上げた就任9年目にあたる2003年にチーム打率.297を記録した福岡ダイエーホークスのダイハード打線は圧倒的で、ホームランこそリーグ4位ですが、3割バッターが6人、100打点以上が4人は圧巻です。
また、盗塁147もダントツの数字を記録しました。
このシーズンは、2位の西武に5.5ゲーム差、最下位オリックスに33ゲーム差をつけてパ・リーグ優勝を果たし、日本シリーズでも阪神を破り、日本一に輝きました。
また、このシーズンオフに、小久保裕紀選手が巨人に無償トレードされることが発表され物議を醸した年です。
2003年のダイハード打順
打順 | ポジション | 選手名 | 成績 |
1 | センター | 村松有人 | 打率.324/6本塁打/57打点 |
2 | サード | 川崎宗則 | 打率.294/2本塁打/51打点 |
3 | セカンド | 井口資仁 | 打率.340/27本塁打/109打点 |
4 | ファースト | 松中信彦 | 打率.324/30本塁打/123打点 |
5 | キャッチャー | 城島健司 | 打率.330/34本塁打/119打点 |
6 | レフト | バルデス | 打率.311/26本塁打/104打点 |
7 | 指名打者 | 大道典嘉 | 打率.281/4本塁打/51打点 |
8 | ライト | 柴原洋 | 打率.333/4本塁打/53打点 |
9 | ショート | 鳥越裕介 | 打率.212/1本塁打/25打点 |
打点王の松中信彦選手
この年の松中信彦選手は、打率.324でリーグ9位、30本塁打でリーグ9位、そして打点は123打点で初の打撃タイトルとなる打点王を獲得し、この翌年には平成唯一の三冠王を達成しました。
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読売ジャイアンツのミレニアム打線
2002年の読売ジャイアンツは、松井秀喜選手がこの年初めて四番に定着し、ミレニアム打線と言われ、優勝・日本一に輝きました。
この前々年にあたる、2000年にFA、逆指名で選手を集め長嶋監督の退任後の2002年、原辰徳監督が1期目の初年度にあたります。
この年は2年目の捕手・阿部慎之助選手の成長で打線の穴がなくなり、清原和博選手の出場は55試合でしたが、打率は.318、日本シリーズでは2本塁打と存在感を示しました。
そして、このシーズンオフに松井秀喜がFAによる海外移籍を表明し、ニューヨーク・ヤンキースに移籍しました。
2002年のミレニアム打線
打順 | ポジション | 選手名 | 成績 |
1 | ショート | 二岡智宏 | 打率.281/24本塁打/67打点 |
2 | セカンド | 仁志敏久 | 打率.244/8本塁打/42打点 |
3 | ライト | 高橋由伸 | 打率.306/17本塁打/53打点 |
4 | センター | 松井秀喜 | 打率.334/50本塁打/107打点 |
5 | ファースト | 清原和博 | 打率.318/12本塁打/33打点 |
6 | サード | 江藤智 | 打率242/18本塁打/56打点 |
7 | キャッチャー | 阿部慎之助 | 打率.298/18本塁打/73打点 |
8 | レフト | 清水隆行 | 打率.314/14本塁打/58打点 |
本塁打・打点王の松井秀喜選手
この年の松井秀喜選手は、オールスターゲーム前までは76試合で18本塁打でしたが、後半戦は64試合で32本塁打という驚異のペースで打ち続け、自己最多を更新し、史上8人目の50本塁打を記録しました。
また、シーズン終盤まで打率3割5分台で三冠王も目前でしたが、首位打者争いで福留孝介選手にタイトルを譲りました。
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北海道日本ハムファイターズのビッグバン打線
本来は1998年のファイターズ打線を指す愛称ですが、その後にあたる北海道移転後の初優勝と日本一を飾った2006年もビッグバン打線の愛称で、打率では西武ライオンズに及ばず2位でしたが、本塁打は1位を記録しました。
この年は本塁打、打点の打撃2冠に輝いた小笠原道大選手がタイトルを獲得し、他にも稲葉篤紀選手が打率3割台をキープしています。
また、この年に引退宣言をして挑んだSHINJO選手が、打線を活性化し、優勝へと導きました。
この年のオフに、小笠原道大選手がFAで移籍し、SHINJO選手が引退して翌年の長打力は手薄になり、安打・本塁打・四死球・打点・長打率でリーグ最下位を記録し、ビッグバン打線の終焉を迎えました。
2006年のビッグバン打線
打順 | ポジション | 選手名 | 成績 |
1 | レフト | 森本稀哲 | 打率.285/9本塁打/42打点 |
2 | セカンド | 田中賢介 | 打率.301/7本塁打/42打点 |
3 | ファースト | 小笠原道大 | 打率.313/32本塁打/100打点 |
4 | 指名打者 | セギノール | 打率.295/26本塁打/77打点 |
5 | ライト | 稲葉篤紀 | 打率.307/26本塁打/75打点 |
6 | センター | SHINJO | 打率.258/16本塁打/62打点 |
7 | サード | 木元邦之 | 打率.239/1本塁打/21打点 |
8 | キャッチャー | 高橋信二 | 打率.251/6本塁打/19打点 |
9 | ショート | 金子誠 | 打率.254/6本塁打/40打点 |
この年に引退したSHINJO選手
日本シリーズで、チームは4勝1敗で44年ぶり2度目の日本一に輝き、日本シリーズ5試合での通算17打数6安打1打点を記録し、2004年の日本ハム入団会見で掲げた2つの目標である「札幌ドーム満員」と「チームの日本一」を共に達成してユニフォームを脱ぎました。