野球に活きる筋力トレーニングの方法

野球に活きる筋力トレーニングの方法

筋力トレーニングの重要性が理解されるのにともなって、練習の一環に導入するチームや個人でも取り組むことも多くなってきています。

ですが、専門的な知識の普及は知っているようで意外と知らず、ただ見よう見まねでバーベルやダンベルを使っているというのが実情だったりします。

投球や打撃と同じように、筋力トレーニングにもノウハウや方法があり、それを知っているのといないのとでは、練習効果に雲泥の差が出ます。

同じ時間を費やすのなら、正しい知識を身につけて最大の効果をあげたいものです。

今回は野球に活かす筋力トレーニングの方法についてご紹介します。

野球で使う筋肉で強化したい部位

まず、下半身の強化はあらゆるスポーツに共通で、野球も例外ではありません。

とくにピッチャーは、走り込みが大切で筋力トレーニングを加えて下半身の今日かメニューとしてさらに充実させましょう。

上半身の筋力トレーニングで強化したいのは、胸と上背部、肩そして腕。

投球動作では大胸筋と広背筋。バッティングでは広背筋と上腕三頭筋それに前腕の筋肉群が大きな働きをします。

これらの筋肉の強化に主眼をおいて、トレーニングを行いましょう。

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トレーニングの種目に適したフォーム

どの筋肉をどういう方法で鍛えるかによって、バーベルのグリップ方法やグリップの幅、スタンスなどのフォームが違います。

バーベルのグリップ2種のイラスト

たとえば、グリップの方法だけでも「オーバーグリップ」「アンダーグリップ」。

そして親指も、他の4本とあわせて握る「サムレスグリップ」と、片手をオーバーで握り、もう一方をアンダーで握る「リバースグリップ」の4種があり、種目によって最適な握り方が決まっています。

この一例のように、トレーニング種目毎の正しいフォームを知ることが、効果を上げるために非常に大事になります。

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フルレンジ・モーションとは?

フルレンジ・モーションというのは、「可動域全体を使う運動」のことです。

ベンチプレスだと、シャフトが胸にわすかに触れる位置から、両ひじをほぼ完全に伸ばすまでが正しい可動域の使い方です。

ベンチプレスをする男性

この可動域をいっぱいに使わないと、いくら重い荷重のものを上げても効果は期待できません。

ただし、可動域いっぱいといってもひじなどの関節を伸ばしきってしまうのは禁物で、関節がロックすると、荷重を筋肉ではなく骨で支えることになるなり、怪我の原因になってしまいます。

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呼吸のタイミングと意識

往復運動のうち、持ち上げる動作をポジティブ·ワーク。戻す動作をネガティブ·ワークといいます。

ダンベルで筋トレをする男性のイラスト

呼吸は、ポジティブ·ワークの頂点で一気に吐き、ネガティブ·ワークでゆっくり吸うのが基本になります。

野球に必要な瞬発力を維持する為には、この呼吸に合わせポジティブはスピーディに行い、ネガティブは2秒ぐらいかけてゆっくりと行うのがコツです。

また、意外に重要なのはベンチブプレスなら大胸筋。バーベルカールなら上腕二頭筋というように、そのとき鍛えている筋肉へ意識を集中して行うことで、その部位への負荷が正しく掛かり、効率よくトレーニングを行うことができるので、意識するようにしましょう。

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筋トレ前後のストレッチ

ウォーミングアップとトレーニング後のクールダウンにストレッチは欠かせません。

これらは、筋肉の準備と疲労回復促進の為にしっかりと行います。

方法は各部位ごとに反動をつけずに伸ばし、しばらくその状態を保持するスタティック方式がベストです。

ストレッチをする男性のイラスト

ウォーミングアップでは20~30秒、クールダウンはもう少し長く40秒ぐらい保持するようにします。

また、前後に加えて、トレーニング中のセットの間にストレッチするのも良い方法です。

自分に合わせた重量と回数

ランニングやストレッチならともかく、筋力トレーニングをチーム全員が同じメニューでやることは効率が悪くなります。

これは、体格や体力が選手一人ひとりで異なる為、同じメニューが全員に効果を発揮することは絶対にありません。

とくにウエイトトレーニングでは、どのぐらいの重さを使うかは、個別にきちんと設定しなければいけません。

重量の設定は、その時点で1回しか上げられない重さ(1RM)を基準に行います。

RMは「反復可能最大重量」という意味で、反復1回だから1RM、5回反復できる重量なら5RM、7回なら7RMとなります。

重量反復回数(RM)発揮能力
最大1〜2回100%
ほぼ限界3〜6回90%
大きい7〜10回80%
やや大きい11〜15回70%
中程度16〜20回60%

具体的には15RMぐらいの重量でウォームアップしてから、すこしずつ重量を増やし、最後に1回だけ上げられた重量が、その人の1RMになります。

これをベースに「1RMの70%を10回」というようなメニューを実行し、トレーニングによって限界もアップするので、時折重量設定を見直し、新しい目標を決める必要があります。

ベンチプレス

効果的で安全に筋肉を刺激するためには、正しいフォームや動作が欠かせません。

フォームで最も間違いやすいポイントが、肩甲骨の位置です。

肩甲骨を寄せてトレーニングをする男性
写真:Sho Fitness より

ベンチにただ背中をつけているだけでは、ベンチプレスの効果を引き出せません。

ベンチプレスをする男性

肩甲骨を寄せて台に動かないように固定することによって、大胸筋が大きく動かせるようになり、肩を痛めることなく効率の良いトレーニングが可能になります。

そして、バーは手首を痛めないようハの字になるようにして握り、胸の上で弾ませて反動をつけて持ち上げず、しっかり胸につくまで下ろすようにします。

ベンチプレスでの正しいバーの握り方
非効率なバーベルトレーニングをする男性

ベンチプレスは、後頭部・肩甲骨・お尻・両足の4つがしっかりベンチや床に接地した状態で行うのが基本になります。

特にこの4つはしっかりと接地をさせて、安定した動作を心がけましょう。

初めの頃や、筋力向上が目的なら3~7RMを目安にし、筋肥大が目的なら8~12RM。

そして筋持久力向上が目的なら13~20RMを3~5セットを目安に行うとよいでしょう。

体の表裏のバランスも鍛える

野球で活かす為の筋力トレーニングにはバランスも大切です。

上半身だけ下半身だけというメニユーはだめで、さらに大胸筋と広背筋、上腕二頭筋と上腕三頭筋、大腿四頭筋とハムストリングスのように体の表と裏で対称的に位置し、逆の働きをする筋肉(桔抗筋という)もあり、これらも両方鍛えないとバランスをくずします。

自己流トレーニングだと、体の表側の筋肉ばかり鍛えてしまいがちになるので、特に注意するようにしましょう。

筋力トレーニング後の休養

鍛えた筋肉がだんだん太く強くなっていく「超回復」は休養が条件です。

超回復して、つぎのトレーニングの準備ができるまでの時間は40~72時間といわれており、2日か3日に一度のトレーニングが最適です。

効果をあせってがんばりすぎると、筋肉を痛めてしまいます。

きちんと休み、マッサージやストレッチと栄養補給で超回復を助け野球で活かす筋力を鍛えるようにしましょう。

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