足の速い右バッターが、一塁ベースに近い左打席の方が出塁率を上げる為にスイッチヒッターになるケースがあり、メリットはそれだけではなく左対左、右対右の相手ピッチャーの利き腕と打席の組み合わせに対しての不利という面を減らすことができるメリットもあります。
今回は、スイッチヒッターのメリットと身に付ける方法についてご紹介します。
クセがないことのメリット
元来右打席のバッターが左打席に入る場合、利き腕とは逆の腕でバットをコントロールする為、癖がなく自分がイメージしたものを作りやすいというよさがあります。
いざ左打席でスイングしてみるとぎこちなさはありますが、意外に左打席のほうが振りやすかったりするというケースがあります。
スイッチヒッターとして史上唯一のトリプルスリーを達成した松井稼頭央選手は、スイッチヒッターの感覚をふたりの人格を持つような感じと語っており、基本的には右と左ではほとんどの選手が感覚は異なり、それまでの打席での経験は通用しません。
言い換えれば、モノにする為には、左右ふたり分の練習をしなければならず、これだけでも大変なことですが、その他にも克服しなければならない間題があります。
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利き腕の役割と慣れる方法
バットの微妙な操作はグリップの上の手で行う為、右利きの人が左打席では左手でバットをコントロールするようになり、ボールが当たった瞬間に、手首を返したり、まっすぐ押し込んだり、下に入れたりというように、利き手と逆の手でバットを操作しなければなりません。
どんなに高打率を残すスイッチヒッターでも、左打席でのノックやトスバッティングは意外と難しく、利き腕ではない左手では細かいコントロールが出来ない為、バットの操作性が落ちてしまいますが、この部分は徹底的に練習をこなして慣れるしかありません。
練習は、実際にボールを打ちながら覚えるという方法が一番効果があり、スイングを速くしたり、きちっとバットを振るというのは、反復練習をしていかなくてはいけない為、スイング、ティーバッティング、フリーバッティングをたくさんやらないといけません。
また、強く振るためにグリップの上の手になる左手を強化するために、左手一本でボールを打つというトレーニングも必要になりますが、いままで自然に動かしていたものを、真逆に動かす必要がある為、肩を痛めたりするケースも出てくる為、注意事項として考えていかなければいけません。
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利き目の違い
スイッチになると利き目も逆になります。
普通は右バッターは、ピッチャーに近い左目でボールを捉え、左目を利き目として使います。
その方が、視野が広くより正面からボールを見ることができ、右目でとらえようとすると、顔の左半分が邪魔になって視野が狭くなり、ボールを斜めからとらえるような感じになり、ボールを見にくくなります。
さらには、すべてのボールが自分に向かってくるような印象で、これがバッターに恐怖感を与えます。
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ボールへの恐怖心を克服する
ピッチャーの投げたボールが自分の方向に向かってくる為、大なり小なりどのバッターでも潜在的にボールへの恐怖感を持っていますが、ボールを怖がり腰が引けてしまっては、自分のスイングはできません。
バッティングでまず大事なことは、ボールを怖がらないということで、スイッチヒッターになった時に一番難しいのが、この恐怖感の克服です。
子供のころから続けている右打席ならこのコースに来た場合、自分がこれだけ動いたら当たらないなということが感覚的に分かるので、それほど怖くはありませんが、左に変わったとたん視野も感覚も変わる為、ボールをものすごく怖く感じ、体の近めのボールに腰が引けたり、変なよけ方をしてボールからうまく逃げられずにケガをすることもあります。
これは慣れの問題なので練習を積み重ねていくしかなく、プロ野球、MLBでも活躍した松井稼頭央選手はこの恐怖感を取り除く為、テニスボールを近くから投げてもらって体に当てるという練習をしていたそうです。