バッターはボール球を打とうとすることで、バットの芯でボールを捉えることが難しくなり、かつバットに当てても強い打球を打つことできません。
その為、多くのピッチャーは2ストライクに追い込むと、ストライクゾーンでの勝負を避け、ボールを打たせようとしますが、好打者ほど選球眼がよく、ピッチャーにとっては意図通りには打ち取りにくくなります。
今回は、平成の名捕手と言われた谷繁元信氏と、里崎智也氏の選球眼の良い打者を打ち取る配球についてご紹介します。
谷繁元信のインサイドワーク
谷繁元信は、歴代最多の3021試合に出場し、沈着冷静ながらも内角を強気に攻めるインサイドワークと、盗塁を抑制する強肩を武器に、投手陣を支えた扇の要の選手です。
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谷繁元信の選球眼の良い打者を打ち取る配球
選球眼の良いバッターは非常に厄介で、谷繁元信の現役時代も苦労はしたそうですが、3つの方法を使い攻略していました。
選球眼の良いバッターとは?
選球眼の良いバッターは、ボールを打ちにいきながらもタイミングをとってボールを見極める間がコンマの単位で長くとる選手です。
また、バッターが得意なコースにいかないようバッテリーは配球を組み立てますが、そのバッテリーの意図したコースは見逃し、最終的に自分が打てるところに投げさせます。
そうすることで、結果カウントがバッテリーにとって悪くなり、バッターの好きなコースにボールが行く確率が上っていきます。
選球眼の良いバッターへの配球と打ち取り方
カウントが悪くなる前に、ストライクゾーンの中で力強いボールを投げ、早い段階で打たせるような配球を心掛けます。
そして、バットを出してくる甘いコースへツーシームやカットボールなど、バッターの手許で小さく変化する変化球を投げることで打ち損じを狙います。
さらに、バッターを揺さぶり見極めを狂わす為に、バッターに聞こえる声程度のささやき戦術で集中力を途切れさせます。
こうすることで、スイング時にボール半個1個程度ずらさせることができ、現役時代にこの戦術は、広島カープなどで活躍した新井貴浩選手の効果があったそうです。
ただし、選球眼の良いバッターにはこれらの戦術を駆使して打ち取りにいきますが、選球眼が良い為にボール球を振ることがなく、結果フォアボールになる為、厄介な存在であることは間違いありません。
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里崎智也のインサイドワーク
里崎智也は、インコースを有効に使ったリードで、打者の弱点を突くインサイドワークに定評がある選手です。
また、名捕手の条件として「打つこと」と「勝つこと」を重要視しており、リードは結果論として関係ないと考えており、里崎智也選手の現役時代もこれを体現した実績を残したことで、名捕手の道を歩みました。
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里崎智也の選球眼の良い打者を打ち取る配球
バッターのポイントの置き方・タイミングの取り方・バットに当たった位置・ファイルボールが飛ぶ方向の4つを見ながら、仮説を立てて配球を組み立てることが重要です。
その為にはバッターのタイプを4つに分類し、その裏をかく駆け引きをすることが重要になってきます。
1つめのタイプは、ストレート待ちのバッターには変化球で対応し、変化球待ちのバッターにはストレートで対応します。
2つめのタイプは、球種にヤマを張って打つバッターで、3つめのバッターはコースにヤマを張って打つタイプです。
そして4つめのタイプは、ボールを引っ張って打つか流すかで、打つ方向を決めて打つバッターです。
これらの4つのタイプにバッターを当てはめて、その裏をかく配球で選球眼の良いバッターを打ち取ります。