コースや球種を活かすために配球のセオリーを覚えましょう。
そして、セオリーを効果的にかつ活かす配球は、あらかじめ結果を想定し、そこへ向けて伏線を張る配球方法です。
今回は、ピッチャーの変化球やストレートを活かす方法を覚えた上で、伏線を張る配球の方法についてご紹介します。
配球の勝ち負けの要因
配球は、打者を打ちとる可能性を少しでも高めるために行う方法に過ぎません。
もちろん1打席1打席の勝負なので、「勝ち」と「負け」が存在します。
バッテリーと打者がこの勝負をおこなう上で、どんなに理にかなった配球をしても、結果が悪い方に出ることもありますが、答えは誰にもわかりません。
ですが、打者への観察を怠らずに配球をしっかり考えることで、いい結果が出る確率を高めることは可能です。
だからこそ、配球を組み立てるにあたっては打者のスイングや、バッターボックスに立つ位置など、細心の注意、観察をしっかりおこない、打者との勝負に勝つために準備をし配球を組み立てることで勝負に勝てるようになります。
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セオリー通りではない状況に応じた配球
色々な配球のセオリーがありますが、具体的な配球が全ての打者に当てはまるわけではなく、9人の打者がいれば9人のスイング軌道があり、それぞれ打者によって体型、スイングスピード、パワー…など、すべてが異なります。
まずはオーソドックスな基本となる配球方法をしっかり覚えて、そのうえで打者をしっかり観察し、その状況に応じて効果的な配球を導き出しましょう。
それが捕手として最も大きな仕事で、重要なことです。
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伏線を張る配球の重要性
捕手として配球をする上で重要なのは、「こうやって打ちとってやろう…」という道筋と答えを最初に決めておくことです。
もちろん状況は1球ごとに変化するので、臨機応変に対応する必要性が生じますが、打者が打席に入る時にはある程度の答えを決めておく必要があります。
この通り、ある程度の答えと配球の大枠の道筋を決めておくことができれば、そこから逆算して配球を組み立てることが可能になります。
たとえば、初回の先頭打者なら、様子を見ながらも相手を勢いに乗せたくないのでしっかり打ちとり、同点の終盤、ノーアウト走者一塁で変化球に弱い打者なら引っかけさせてダブルプレーをとるなど、そういった理想の結果(=答え)を想定することで、そのためにはどうやって攻めるか、配球するかを考えることができるようになります。
これが「伏線を張る」ということです。
このように、「このボールでこうやって打ち取ってやろう…」という答えを最初に考えておけば、必然的にそこまでの配球を決めることができ、答えをある程度最初に出しておけば、試合中の配球に窮することも少なくなるのである。
また、投手としても答えがあらかじめわかっていれば安心度も高くなります。
そういった意味でも投手と捕手は常にコミュニケーションをしっかりとっておくことが重要で、配球の意図を共有できていると、心理的にも打者に対しても有利に立てます。
伏線を張り、あらかじめ結果を想定しておき、それを可能にするために前もって準備しておく。
勝負球で打者を想定通りに打ちとるために配球を行うことが重要です。
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配球の結果について
準備をしっかりおこない、「打者をこうやって打ちとろう…」という最終的な勝負球が捕手の頭の中で決まっていて、そこから逆算して球種、コースの配球を決めます。
これができるからこそ、「勝負球を活かすためにこのボールを投げる」という高い意識を持って1球ごとに配球をすることができます。
もちろん勝負球を結果的に打たれるのはしょうがありません。
たとえば、打ちとったボテボテの当たりが野手の間を抜けたりすることもあり、詰まった当たりが内野手と外野手の間に落ちてしまうことも往々にしてあります。
また「このコースなら大丈夫だ·…·」とバッテリーが思っていても、打者がうまく打つこともあります。
ですが、答えを決めて、そこへの伏線を張った配球をおこなっていれば、打たれても、そこにはしっかりした意図が存在し、それで打たれたなら納得することができます。
このように結果はあくまで結果として割り切ることができるはずです。
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伏線を張ることで精神安定剤にもなる
配球の意図がバッテリー間でわかっていれば、気持ちの切り替えもスムーズにでき、仮に悪い結果が出ても、自分の答えを出して打たれたのなら、次の打者にフレッシュな気持ちで挑むことができます。
どんなに素晴らしい配球をしても100%は抑えられません。
ですが、打者を抑える確率を上げるために最善の配球をしっかり行い、そのために「伏線を張る」ことが重要です。
結果を想定して、そこへ伏線を張っていく配球をおこなっていれば、仮に結果が悪い方向へ出ても精神的に動じず後悔のない配球を心がけましょう。